BMC Palliat Care. 2016; 15: 85.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5059981/
<背景>
IPFは進行性の弛緩で、平均生存年数は2-7年である。緩和ケアは、肺移植が治療オプションとならない患者にとって重要な役割をもつ。目的は、IPF患者の終末期ケアにおける治療の実践、意思確認、症状について検討すること。
<方法>
フィンランドの59人のIPF患者を対象。死亡前6ヶ月の記録を後方視的に分析。
<結果>
47人(93%)の患者が病院で死亡。大多数(93%)は最後の6ヶ月のうち平均30日(1-96日)を病院で過ごした。同様に、15%の患者は病院で最後の6ヶ月を過ごした。終末期の意思確認とDNRは19人(32%)と34人(57%)が作成しており、それらの意思確認のうち22人(42%)は死亡する3日以内に適応された。
最後の入院期間中、抗生剤投与は79%、非侵襲的換気が36%の患者に行われた。最後の1日には、レントゲン写真が19%、生化学検査が53%に行われた。
これらの検査と延命治療は第3次病院にてより多く行われていた。呼吸困難感(66%)、疼痛(31%)が共通した症状だった。
オピオイド(鎮痛薬)が死亡の1週間前の間に71%の患者で使用された。
<結論>
IPF患者で病院にて死亡した大多数の患者において、延命措置が行われ、症状緩和のためにオピオイドが使用された。しかし、終末期の意思決定は非常に多くの患者で行われていた。早期からの緩和ケアを、進行中の治療計画に加えて行うことがIPF患者の終末期ケアを向上させる。
・対象年齢77歳、診断から死亡まで平均3.7年
・併存疾患は心血管疾患が68%、高血圧が48%
・死亡した場所:第3次病院39%、ICU5%、市中病院36%、自宅14%
DNRと終末期の意思確認を行ったタイミングと延べ人数 |
・14人の患者はDNRと終末期意思確認を両方作成
・20人の患者は、どちらも作成していなかった
・終末期ケアの専門家が介入した病院は見当たらず、1件のホスピスで1人の患者が利用していた。
・亡くなった週の治療内容:NIV29%、非経口輸液49%、抗生剤66%
・筆者の考察では、"NIVはIPF患者の対症療法として推奨されていないので、使用する場合には適応を吟味するべきである"
ーーーーーーーーーーーー
緩和ケアって目の前の患者の症状に合わせて行うべきなので、正解は無いと思う。
がん以外の疾患でも緩和ケアが必要。
これも"終活"だと思う。