2017/06/12

間質性肺疾患と閉塞性肺疾患の呼吸困難の共通したメカニズム

Common Mechanisms of Dyspnea in Chronic Interstitial andObstructive Lung Disorders

Am J Respir Crit Care Med. 2016 Feb 1;193(3):299-309.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26407036

<背景>
間質性肺疾患(ILD)と慢性閉塞性肺疾患(COPD)の息切れの生じる機序については知られていない。

<目的>
横隔膜の吸気神経ドライブと息切れの強度に関係があるかについて、ILDとCOPDで検討した。これらの環境にて、静的呼吸メカニクスの違いについて確認した。

<方法>
ILD患者、COPD患者、健常者を各16人ずつ集めた。漸増自転車エクササイズ中の横隔膜筋電図描写(EMGdi)と吸気圧を測定し比較した。

<結果>
軽症から中等症のILDとCOPD患者は、吸気予備量、最大酸素摂取量、負荷量、換気量が健常者と比べて低かった。
安静時と運動中のILDとCOPD患者において、EMGdi、呼吸努力(食道内圧)、換気は健常者より高かった。これらの評価はILDとCOPDで似ていた。
ILDとCOPD患者で、換気の変化と吸気の減少がより低く表れていた。
ILD患者はより横隔膜の活動を示しており、一方のCOPD患者は、呼気筋力をよく使っていた。
呼吸困難感と運動中の最大EMGdiは3つのグループで似ていた。ILDとCOPDにおいて、吸気の困難さはより頻回に見られていると考えられ、横隔膜の活動と換気の格差が生じていた。

<結論>
疾患特異的な機序の違いと呼吸筋の活動は、息切れの強度と横隔膜との関係が影響しているわけではない。

運動負荷と各種パラメーターの変化
ILDとCOPDは同じような傾向をたどっている

各パラメーターと呼吸困難感の比較
同じような傾向なので疾患特異的なパターンはみあたらない


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呼吸筋疲労は間質性肺疾患には見られにくいということが言えるかもしれない。