2017/06/16

間質性肺疾患患者の疲労感が運動で改善するか

changes in fatigability following intense aerobic exercise training in patients with interstitial lung disease

2015 Apr;109(4):517-25.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25698651


<目的>
間質性肺疾患(ILD)患者において、疲労感が高強度有酸素運動後に軽減しているかもしれないということを確認すること。

<方法>
13人の身体不活動の患者(男性5名、平均年齢57.2歳)を対象。異なる種類のILDで身体的な制限がなく、トレッドミルで歩行可能な患者。
患者は心肺運動負荷(CPET)と6MWT、疲労度の重症度スケール、Human Activity Profile questionneireを運動トレーニングの前後に実施。
トレーニングの内容は、心拍数の70-80%をターゲットにした運動セッションを少なくとも24回実施。1セッション30分、週3回を10週間行う。

<結果>
トレーニング後、CPETにおいて、ATまでの時間が55%増加。疲労度(performance fatigability index (PFI))が11%減少。6MWDは49.7±46.9m増加。
疲労の重症度スケールとHuman Activity Profileは著しく増加。トレーニングによる有害事象は無かった。

<結論>
トレーニング後、6MWD後の疲労感は減少しており、身体活動性と関連していた。6MWDが著しく減少したことは、ILD患者の死亡率を上昇させるマーカーとなるかもしれない。
ILD患者の疲労感の病因はよく知られているが、疾患の進行や生存などの基本的な見通し(予後)を提供するかもしれない。


・ワシントンDC(アメリカ)の間質性肺疾患クリニックに通う外来患者を対象
・身体不活動の定義は、リハプログラムに参加したことがない、1日30分以上の運動をしていない

Performance fatigability test:6MWTを80mのサークルコースで測定。まず、結果から6分間全体の歩行時の加速度を計算。6分間全体の歩行加速度を1周目の加速度で割った値をPFIとして採用

・疲労の重症度:9項目の自己記入式アンケートを1-7点で回答。高得点ほど疲労感が強い。

・身体活動性:The Human Activity Profileを使用。94項目のADL動作に関する質問に自己記入で回答。結果は2つのサブスケール(最大活動:MASと調整活動:AAS)で表示。
MASは高い酸素摂取量が必要な動作、AASは日常的に行われる動作



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週3回の高負荷での運動を行うことで、身体機能は十分改善がみられた。
酸素化にどれくらい影響があるのかが気になるところ。