pulmonary arterial hypertension
Respir Med. 2013 May;107(5):778-84.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23478192
<目的>
肺高血圧症患者に対して、運動介入が疲労感の軽減や身体活動性の向上をもたらすかを検討すること。
<方法>
24人の肺高血圧症患者が参加。介入は、呼吸リハプログラムを実施しているクリニックで行った。
肺高血圧症患者は、患者教育のみか、教育と有酸素運動を行うかのどちらかに無作為に分けられ、10週間のプログラムを行った。
両グループとも週2回、10週以上にわたって、肺高血圧症の管理に関する20のレクチャーを受講。有酸素運動は、1回30-45分、70-80%HRの強度でのトレッドミル歩行を、週3回10週以上、24-30回実施。
<結果>
介入10週間後、教育と有酸素運動のグループは、身体活動性の向上と疲労感の軽減が報告された。教育のみのグループは、変化がなかった。
<考察>
肺高血圧症患者に対して、10週間の有酸素運動介入は、身体活動性の向上と疲労感の軽減をもたらす効果がある。
・患者選択基準:21-82歳で肺高血圧症と診断されている(安静時右心カテーテルで、肺同動脈圧≧25mmHg)。禁煙している。
・除外基準:週3回30分以上の運動を行っている、6MD>400mもしくは<50m、1秒率≦65%、虚血性心疾患の既往、EF<40%、肺毛細血管楔入圧≧18mmHg。
・運動時の脈拍の計算【カルボーネン法】:【0.7もしくは0.8×(最大HR-安静時HR)】+安静時HR
・疲労感の評価(The Fatigue Severity Scale)は身体的、精神的な9つの項目について、1-7aで問診。4以上を重症とした。
・身体活動性の評価(The Human Activity Profile)は、様々な生活場面の94項目からなる質問票。高得点ほど活動性が高い。
・平均年齢55歳程度、NYHA classⅡが50%、classⅢが41.6%。
肺高血圧の原因疾患は、強皮症が50%、特発性肺高血圧症が25%
10週間の介入前後の変化量 FSS:疲労感、AASとMAS:身体活動性 EXE:運動と教育、EDU:教育のみ |
運動と教育グループの介入前後のFSS 黒:ベースライン、白:10週後 |