2017/05/04

急性増悪を呼吸数で予見できるか。

Home monitoring of breathing rate in people with chronic obstructive pulmonary disease: observational study of feasibility, acceptability, and change after exacerbation

International Journal of COPD 2017:12 1221–1231

https://www.dovepress.com/home-monitoring-of-breathing-rate-in-people-with-chronic-obstructive-p-peer-reviewed-article-COPD

<背景>
電話健康プログラムは、COPD患者の急性増悪の早期発見や自己管理を促進するが、想定外の結果をもたらすこともあり、パラメーター(症状、パルスオキシメトリー、スパイロメトリー)の観察は増悪の予測としては弱いためである。

<目的>
急性増悪時に呼吸数が増加することが、予測因子かもしれない。呼吸数を在宅で測定する機械が使用可能となったが、正確性や受容性、変化を発見できるかについては知られていない。

<方法>
5つの呼吸数モニターを比較。21人の安定期COPDにて妥当性を検証。最良のデバイスを2つ選出し、23人の安定期COPD患者に対して、14日間自宅で装着した。

<結果>
2つのモニターは、正確性を示し、いくつかの患者では増悪時の特別な変化を示した。急性期の状況においての有効性については限定的である。
増悪からの回復中に何人かの患者は、安静時呼吸数が減少していたが、全ての患者ではなく、日内変動も考えられた。

<結論>
安静時呼吸数は、増悪を示していた。しかし、更なる検討が必要である。


・スコットランドの健康サービス研究で実施
・中等度から最重症のCOPD患者が対象。
・患者特性
%FEV1.0は40%程度。mMRCは1-3くらい。
6MWDは400m以上歩けていて、1日の活動量は4000歩/日

・第1:研究的な環境で呼吸数を測定。
上記のADLを想定した動作を行い呼吸数を測定
・第2相:自宅での呼吸数を測定し、正確性を評価
・第3相:増悪からの回復中の呼吸数の変化を評価。
増悪からの回復過程での呼吸数。
Aは呼吸数が減少したパターン。
Bは変わらなかったパターン。

・増悪前後での呼吸数の変化を比較
左は増悪しても呼吸数はあまり変化ない。
右は増悪してから呼吸数が増えた。