Effect of a Three-Week Inpatient Rehabilitation Program on 544 Consecutive Patients with Very Severe COPD: A Retrospective Analysis
Respiration 2015;90:287–292
http://www.karger.com/Article/FullText/436979
<背景>
呼吸リハは、COPD患者の運動耐容能、症状、QOLを改善させる。しかし、最重症の患者のデータは不十分である。
<方法>
自宅での他職種による呼吸リハを実施。後方視的に、544人の最重症COPD患者(FEV1.0 0.97Lで自宅内でリハを実施した(23.44日)。
アウトカムは、6MWT、健康関連QOL(CAT)、mMRC、肺機能。
<結果>
6MWT、CAT、mMRC、FEV1.0は著明に改善。ベースラインの変数とプログラム中の改善度合いは、相関していた。改善を示していたのは、べ―スラインの特性が悪かった患者であった。
長期間酸素療法を行っている患者は、行っていない患者よりもCATの改善が大きかった。
<結論>
最重症COPD患者は、呼吸リハを実施することによって、臨床的に有意な改善を示した。
・リハプログラムは3週間毎日実施。期間は延長する可能性もあったため、22日以内で実施。
・非薬物療法は患者個々の状態に合わせて実施。
・運動療法:最大運動能力の60-80%、1日1,2回行い、時間は1時間半、期間は週5日
・吸気筋トレーニング:高強度、1回7分×2、週7日
・教育セッション:呼吸理学療法、呼吸困難のマネジメント(週5日)、気管ドレナージの方法(1日30分、週7日)、禁煙、酸素療法もしくはNPPVについて心理サポート、栄養カウンセリング
・評価項目:肺機能、6MWT、Borg scale、CAT、mMRC.
・対象の平均年齢57歳。BMI24.%FEV1.0 34%、6MWT 321m
・リハ後、6MWDは平均42.8m向上。CATは3.64点改善。
・ベースラインとリハ後のパラメーターを比較。それぞれp<0.001と有意に相関。と記されているが、相関係数は低いので、強い相関ではない。
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高負荷で運動できれば短期間でも効果が得られる。
しかし、ベースラインの評価結果から3週間先が予測できるかは、不明。
6MWDで400m近く歩けているとほぼ改善は難しい。(天井効果?)