Breathing pattern and breathlessness in idiopathic pulmonary fibrosis: An observational study
Respirology (2016) 21, 344–349
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26597757
背景
特発性肺線維症(IPF)は肺機能の減少と息切れの増加が進行する特徴がある。目的は、IPF患者の肺機能と安静時呼吸パターンと息切れの程度の関係を検討すること。
方法
31人のIPFと17人の健常者の肺機能テスト、2分間の安静時呼吸を行った。IPFコホートは、FVCと一酸化炭素拡散能力に基づく重症度で階層化した。
結果
IPFは高い1回換気量(Vt)を示した(Vt=0.22L)。最重症のIPFは分時換気が上昇。吸気と呼気のタイミングに違いは無かった。IPFにおいて、FVCのうちVtの占めるの割合は、15%近く高かった。これらの変化は、息切れの自覚症状の増強と相関していた。
結語
IPFは疾患の重症度が悪化すると呼吸の深さも増加していた。IPFによる肺機能と息切れの変化は、1回の呼吸パターンの変化と関連していた。
・1回換気と肺機能は 座位で2分間マウスピースを通して呼吸
・疾患の重症度は性別(G)年齢(A)身体機能(P)(%FVCと%DLCO)によるGAP indexで軽症、中等症、重症に分けた。
・息切れの評価はThe Denver interstitial lung disease breathlessness scoreを使用。高スコアは息切れが強い。
・IPFのFVE(%FVC)は軽症3.10L(104%)、中等症2.52L(78%)、重症2.42L(72%)。
・Vtと分時換気量(VE)は重症になるに従って増加。呼吸数は変わらず
=疾患が重症化すると深い呼吸パターンになる。
・最大吸気フローと呼気フローは重症になると上昇。最大フローになるまでの時間は、健常者と比べて早い。
・呼吸困難が増強すると、FVCのうちVtの占める割合が増加。
当然、苦しくなると自覚症状として現れる。
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肺活量が2Lある(%FVCが70%台)を維持できているうちは、呼吸数ではなく、一回換気量の増大で換気を維持していた。
呼吸数での代償も必要になるのはどれくらいの重症度からだろうか。