2017/03/01

CPAPがCOPD患者の吸気予備量を増加させた

Continuous positive airway pressure increases inspiratory capacity of COPD patients

 

Respirology.2008 May;13(3):387-93.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18399861

 

目的

過膨張は吸気予備量(IC)を減少させ、状態安定に関わらずCOPD患者に見られるCPAPは過膨張を減少させる可能性がある。

目的は、安定期COPD患者のICを増加させるかを検討すること。

 

方法

21の安定期COPD患者を対象(9人は気腫型12人は気管支炎型)CPAPは4cmH2O,

7cmH2O,11cmH2O5分間実施それぞれのCPAPトライアル前後にFVCとSVCを測定3つのレベルでCPAPを行った結果ICが最も減少していたを見つけ更に2cmH2Oでのトライアルも追加して行った。それぞれの患者に、最良のCPAP( best CPAP)レベルを最もよかったICと関連している圧を1つ決めた

 

結果

15の患者でICとSVCが増加平均IC変化量は159ml平均SVC変化量は240ml気腫型の3人の患者で平均IC変化量は216ml気管支炎型の6人の患者ではICの増加は見られなかった

 

結語

最良の個別のCPAPは安定期COPD患者特に気腫型の患者においてICの増加が得られた

 

CPAPのインターフェイスはフェイスマスクFiO2は0.21(ルームエアー)だがSpO2が90%を下回る場合は最大0.5まで増加し

CPAPは4cmH2Oから開始7cmH2O11cmH2Oを試した

・もし、ICがこの3種類の圧で減少したら、2cmH2Oでのトライアルを行い、ICを増加させる最も低いCPAPを検討した

・研究プロトコル

 

best CPAPは最もICが増加したとしたもし、全てのトライアルでICが減少した場合は、最も減少が少ないとした。

・平均年齢63歳、BMI27.3、FEV1.0 0.98L(40.7%Predicted)、FVC  2.18L

 

・最初からICが高い患者にCPAPをするとICが減少していた。

 

・Best CPAPの前後で比較すると、CPAP後のICは同じレベルになっていた。

 

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Best CPAPの圧がどれくらいだったか見当たらなかったが、気腫型の方が改善が大きいというのは納得。エアートラッピングへの対処として機械換気を利用するのも対応のひとつ。