CPAP Decreases Lung Hyperinflation in Patients With Stable COPD
Respir Care 2011;56(8):1164–1169.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21496367
背景
動的肺過膨張は、呼気流速制限によって引き起こされ、多くのCOPD患者において、安静時呼気終末肺気量(機能的残気量)が著しく増加する。
目的
安静時COPD患者において、動的肺過膨張と気道抵抗に対するCPAPの効果と持続時間を検討すること。
方法
ケーススタディ。21人の患者に8cmH2OのCPAPを15分行い、15分後と30分後にすぐに全身プレチスモグラフィ(plethysmography)を実施。
結果
平均年齢70±9歳。平均%FEV1.0:41%、残気量、機能的残気量、全肺気量、残気量/全肺気量、気道抵抗が、CPAP後に減少。15分後には著明な変化は無かった。しかし、30分間行うとベースラインに戻っていた。
結語
重症から最重症の安定期COPD患者に対して、CPAPは肺気量と気道抵抗を15分減少させるが、30分で肺気量のベースラインに戻る。
・これまでの報告では、5-10cmH2OのPEEPが気道抵抗を減少させるのではないかとされている。10cmH2O以上のPEEPは動肺過膨張を増強させ、呼吸機序や筋活動、血行力学を悪化させる。
・CPAPは、座位でフェイスマスクを使用。
・プレチスモグラフィはCPAP直後、装着15分後、30分後に測定。
・CPAP直後、吸気予備量は上昇し、全肺気量、残気量、気道抵抗は減少。
・CPAPは肺過膨張と気道抵抗を減少させるが、重症COPDにおいて、その効果は、少なくとも15分維持されたが、30分後には消失していた。
・全肺気量
・吸気予備量
・気道抵抗
・CPAPを付加することで、呼吸筋を休息させ、中枢の化学受容体と換気ドライブをリセットされたのではないかと推測した。
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肺過膨張が原因で活動制限がある患者に対して、入院中は呼吸介助などで対処できると思う。
しかし、退院後は独居であったり、サポートが受けられない患者へCPAPが呼吸介助の代用にならないだろうか。
SABAのアシストユースと比べたらどうだろうか?