Assessment of Aerobic Exercise Adverse Effects during COPD Exacerbation Hospitalization
Can Respir J. 2017; 2017: 5937908.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28265180
背景
COPD増悪入院後の有酸素運動は、呼吸筋力、骨格筋力、耐久性、活動性の向上、息切れの軽減などの効果があり推奨されている。これまでの研究では、無酸素性の活動がCOPD増悪で入院中の患者に有効であると示されている。しかし、COPD増悪入院中の有酸素性身体活動の、実現の可能性や安全性についての情報は少ない。
目的
COPDで増悪入院した患者の、有酸素運動中のバイタルサインを評価すること。
方法
11人のCOPD患者が対象(63%が女性、平均年齢65歳、%FEV1.0 34.3%)
有酸素運動は入院後72時間以内にトレッドミル運動を実施。スピードは6MWTの結果から算出。
バイタルサインは運動前後で測定。
結果
活動中の収縮期血圧(SBP)は125,2から135,8へ上昇。
呼吸数は20.9回から24,2回へ上昇。
SpO2は93.8%から88,5%へ減少。
有酸素運動の強度として考えられる心拍数は、運動終了時には99.2bpmから119.1bpmの範囲であり、最大心拍数の76%に近づいた。
結語
COPD増悪で入院後72時間以内の有酸素運動は安全に実施された。
・患者選択基準はCOPDと診断されており、入院が必要な状態を重症の増悪と定義。
・除外基準は、Glasgow scoreが15点未満、息切れのBorgが7点以上、不安定な心疾患、活動制限、血行動態不安定、人工呼吸管理。
・入院24時間以内に、患者背景、喫煙歴、Charlson index、体組成を評価。
・入院48時間後に、すべての患者が6MWT、肺機能検査を行い、BODE indexを算出。
・入院72時間後に、トレッドミルでの有酸素運動を15分行った。
・運動内容は、6MWTの結果から速度をkm/hへ変換。運動中5分おきにBorgで息切れを聴取。そのとき3以下であれば、傾斜を1ポイントずつ加える。
・トレーニング中SpO2が85%以下であれば酸素吸入を実施。
・すべての患者が15分の有酸素運動を完了した。
平均のトレッドミル速度は1.9km/hで0.7°の傾斜。
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入院後2日目に6MWTを実施できれば、トレッドミル歩行をやっても問題なかったという結果。
入院後の早期離床が安全にできるということが言いたいことかな。