2017/03/21

COPD増悪入院中の有酸素運動の評価

Assessment of Aerobic Exercise Adverse Effects during COPD Exacerbation Hospitalization

 

. 2017; 2017: 5937908.

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28265180

 

 

背景

COPD増悪入院後の有酸素運動は、呼吸筋力骨格筋力耐久性活動性の向上、息切れの軽減などの効果があり推奨されている。これまでの研究では、無酸素性の活動がCOPD増悪で入院中の患者に有効であると示されているしかし、COPD増悪入院中の有酸素性身体活動の、実現の可能性や安全性についての情報は少ない

 

目的

COPDで増悪入院した患者の有酸素運動中のバイタルサインを評価すること

 

方法

11COPD患者が対象(63%が女性平均年齢65歳%FEV1.0 34.3%)

有酸素運動は入院後72時間以内にトレッドミル運動を実施。スピードは6MWTの結果から算出

バイタルサインは運動前後で測定。

 

結果

活動中の収縮期血圧(SBP)は125,2から135,8へ上昇

呼吸数は20.9回から24,2回へ上昇

SpO2は93.8%から88,5%へ減少

有酸素運動の強度として考えられる心拍数は、運動終了時には99.2bpmから119.1bpmの範囲であり、最大心拍数の76%に近づいた

 

結語

COPD増悪で入院後72時間以内の有酸素運動安全に実施された。

 

・患者選択基準はCOPDと診断されており、入院が必要な状態を重症の増悪と定義

・除外基準は、Glasgow scoreが15点未満、息切れのBorgが7点以上、不安定な心疾患活動制限血行動態不安定人工呼吸管理

 

・入院24時間以内に、患者背景、喫煙歴、Charlson index体組成を評価

入院48時間後にすべての患者が6MWT肺機能検査を行い、BODE indexを算出

・入院72時間後に、トレッドミルでの有酸素運動を15分行った。

・運動内容は、6MWTの結果から速度をkm/hへ変換。運動中5分おきにBorgで息切れを聴取そのとき3以下であれば、傾斜を1ポイントずつ加える

・トレーニング中SpO2が85%以下であれば酸素吸入を実施

 

・すべての患者が15の有酸素運動を完了した。

平均のトレッドミル速度は1.9km/hで0.7°の傾斜

 

 

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入院後2日目に6MWTを実施できれば、トレッドミル歩行をやっても問題なかったという結果。

入院後の早期離床が安全にできるということが言いたいことかな。