2017/03/22

COPD患者の身体活動性と生活環境の関係

Socio-environmental correlates of physical activity in patients with chronic obstructive pulmonary disease (COPD)

 

 Thorax 2017;0:1–7.

 

http://thorax.bmj.com/content/early/2017/03/01/thoraxjnl-2016-209209.long

 

背景

COPD患者の身体活動レベルの減少の原因についての研究は少なく生物学的要因の制限がある。

 

目的

社会環境要因(犬の散歩祖父母近隣の貧困住宅周辺の緑化住宅近隣の緑とのスペース)と身体活動性の量と強度の関係を評価すること。

 

方法

5つのカタルーニャ自治区のCOPD患者410人が対象。犬の散歩と祖父母であるかは質問で聴取。近隣の貧困は国勢調査の都市脆弱性インデックスで評価、周辺の緑化は衛星によって標準化されたインデックスで評価し、周辺の自然環境は、住んでいる場所の周囲300m以内のスペースとした。

身体活動性は、Ⅰ週間、加速度計で評価。中等度から高度の身体活動(MVPA)と毎分の加速の程度(VMU)を評価

 

結果

対象の85%が男性平均年齢69歳%FEV1 56%年齢性別社会背景、息切れ、運動耐容能、不安を補正した直線回帰モデルにて、犬の散歩は、MVPAの時間の増加(18分/日)と身体活動強度が増加祖父母である(9分/日)も同様に増加した。

近隣の貧困、緑化や自然環境は身体活動性と関係していなかった。

 

結後

犬の散歩と祖父母であることはCOPD患者の身体活動量と強度の増加と関係していた

 

・質問で、犬を飼っていますかと聞き、yesであれば、犬の散歩をしますかと質問

・孫がいますか?と質問し、yesであれば、孫の世話をしますか?と質問

 

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とても"人間的な"結果で興味深い。

ただ、"歩きましょう"と言うよりも"犬の散歩を続けましょう"とか、"孫とたくさん遊びましょう"と伝えるほうが、結果的に身体活動性は高まるかもしれない。

きっと、きれいな景色が近くにあっても見飽きるんだろう。

その人にあった指導を考えることを再認識。