Socio-environmental correlates of physical activity in patients with chronic obstructive pulmonary disease (COPD)
Thorax 2017;0:1–7.
http://thorax.bmj.com/content/early/2017/03/01/thoraxjnl-2016-209209.long
背景
COPD患者の身体活動レベルの減少の原因についての研究は、少なく、生物学的要因の制限がある。
目的
社会環境要因(犬の散歩、祖父母、近隣の貧困、住宅周辺の緑化、住宅近隣の緑と水のスペース)と身体活動性の量と強度の関係を評価すること。
方法
5つのカタルーニャ自治区のCOPD患者410人が対象。犬の散歩と祖父母であるかは質問で聴取。近隣の貧困は国勢調査の都市脆弱性インデックスで評価、周辺の緑化は衛星によって標準化されたインデックスで評価し、周辺の自然環境は、住んでいる場所の周囲300m以内のスペースとした。
身体活動性は、Ⅰ週間、加速度計で評価。中等度から高度の身体活動(MVPA)と毎分の加速の程度(VMU)を評価。
結果
対象の85%が男性、平均年齢69歳、%FEV1 56%。年齢、性別、社会背景、息切れ、運動耐容能、不安を補正した直線回帰モデルにて、犬の散歩は、MVPAの時間の増加(18分/日)と身体活動強度が増加。祖父母である(9分/日)も同様に増加した。
近隣の貧困、緑化や自然環境は身体活動性と関係していなかった。
結後
犬の散歩と祖父母であることはCOPD患者の身体活動量と強度の増加と関係していた。
・質問で、犬を飼っていますかと聞き、yesであれば、犬の散歩をしますか?と質問。
・孫がいますか?と質問し、yesであれば、孫の世話をしますか?と質問。
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とても"人間的な"結果で興味深い。
ただ、"歩きましょう"と言うよりも"犬の散歩を続けましょう"とか、"孫とたくさん遊びましょう"と伝えるほうが、結果的に身体活動性は高まるかもしれない。
きっと、きれいな景色が近くにあっても見飽きるんだろう。
その人にあった指導を考えることを再認識。