β-Blockers are associated with a reduction in COPD exacerbations
Thorax 2016;71:8–14.
http://thorax.bmj.com/content/early/2015/08/17/thoraxjnl-2015-207251
背景
いくつかの後方視研究で、βブロッカーを使用しているCOPD患者は、急性増悪の頻度が減少し、死亡率が低くなると示唆されている。重症COPDで在宅酸素(HOT)をしている患者への使用には有害かもしれないという懸念がある。
方法
GOLDの分類でstage2-4のCOPD患者を対象に調査。重症の増悪回数と合計を、βブロッカー使用によってグループ間で比較。負の2項回帰分析を使用して縦断的に解析。
結果
3464人の患者が対象。フォロー期間の中央値は2.1年。βブロッカー使用は増悪回数の合計と重症増悪の回数の低さと強く関係していた。
GOLDのstage3と4で在宅酸素を利用している患者でも、βブロッカーの使用は、増悪の回数の減少と重症増悪の減少と関連していた。
増悪の減少は、GOLD stegeBで最も大きかった。βブロッカー使用は、全原因の死亡率に差は無かった。
結語
βブロッカーは、気流閉塞の重症度に関わらず、COPD増悪の減少と著しく関係
していた。この結果は、無作為化プラセボコントロール試験で検証されるべきである。
・増悪の定義は、呼吸器症状の悪化により抗菌薬もしくは全信ステロイドの投与される。入院が必要とされた場合は重症の増悪と判断。
・平均年齢66.8歳、平均%FEV1.0 50.3%
・βブロッカー使用しているほうが、循環器疾患の割合が多い。
・βブロッカーの使用は、最初の重症増悪までの期間が長かった。最初の増悪の期間への影響は無かった。
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心拍数が高いと、運動制限になるし、運動制限因子におそらく循環器疾患の影響もあるのだろう。薬剤はお医者さんの判断だけど、情報を提供できるようにモニタリングすることが重要。