Physiological responses during downhill walking: A new exercise modality for subjects with chronic obstructive pulmonary disease?
Chronic Respiratory Disease 2015, Vol. 12(2) 155–164
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25758676
大腿四頭筋の低頻度での疲労(LFF:易疲労性?)は、運動によって改善される。健常者において、下り坂歩行(Downhill Walking:DW)によってもたらされる遠心性筋収縮は筋に対して高い負荷を与え、平地歩行(Level Walking:LW)と比べて低い代謝コストで行われる。
目的は、COPD患者において、DWの大腿四頭筋LFFと代謝コストを検討すること。
10人の対象(平均年齢67歳 %FEV1.0 51%)がDWを実施。DWでは体重の10%の重りを持つ(DWL)ようにし、無作為に実施。大腿四頭筋力(TWqpot)はそれぞれの歩行後に測定。筋損傷はそれぞれの歩行前と24時間後に測定(クレアチンキナーゼ:CKをマーカーとした)。換気量(VE)と酸素摂取量(VO2)はそれぞれの歩行中呼気ガス分析を実施。
DWとDWLは、結果として、LWと比べて筋力が低下していた。CKはDWとDWLのみに24時間後の上昇が見られた。DWとDWLはLWと比べて低いVEとVO2を示した。
DWは、大腿四頭筋力のLFF改善や心肺負荷コストが低い事と関連していた。更に、DWでの胸部負荷はこれらの効果が得られなかった。
・下りの傾斜は10%、歩行速度は6MWTの75%、時間はできるだけ長く20分を目標に(最低15分)
・DWLはDWと同様のセッティングで、体重の10%の重りをベストに入れて着用。(負荷量を増加させる目的で)
・LWはトレッドミルで傾斜をつけずに歩行。
・必要であればサイドバーを持っても良い。
・アウトカム測定:大腿四頭筋力をそれぞれの歩行前、15分後、40分後に測定。
・歩行中は呼気ガス分析を実施。
・大腿四頭筋力はDWで15%減少。DWではLFFが強く表れていた。
大腿四頭筋力の変化:a)平地歩行 b)下り坂歩行 c)負荷付き下り坂歩行
・DWとDWLは平地歩行よりもVO2とVEが低かった。