2017/03/08

新たな運動様式の検討 ‐下り坂歩行練習‐

Physiological responses during downhill walking: A new exercise modality for subjects with chronic obstructive pulmonary disease?

 

Chronic Respiratory Disease 2015, Vol. 12(2) 155–164

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25758676

 

大腿四頭筋の低頻度での疲労(LFF:易疲労性?)は、運動によって改善される。健常者において、下り坂歩行(Downhill Walking:DW)によってもたらされる遠心性筋収縮は筋に対して高い負荷を与え、平地歩行(Level Walking:LW)と比べて低い代謝コストで行われる。

 

目的は、COPD患者において、DWの大腿四頭筋LFFと代謝コストを検討すること

 

10人の対象(平均年齢67歳 %FEV1.0 51%)がDWを実施DWでは体重の10%の重りを持つ(DWL)ようにし、無作為に実施大腿四頭筋力(TWqpot)はそれぞれの歩行後に測定筋損傷はそれぞれの歩行前と24時間後に測定(クレアチンキナーゼ:CKをマーカーとした)換気量(VE)と酸素摂取量(VO2)はそれぞれの歩行中呼気ガス分析を実施

 

DWとDWLは結果としてLWと比べて筋力が低下していた。CKはDWとDWLのみに24時間後の上昇が見られた。DWとDWLはLWと比べて低いVEとVO2を示した

 

DWは大腿四頭筋力のLFF改善や心肺負荷コストが低い事と関連していた更にDWでの胸部負荷はこれらの効果が得られなかった。

 

・下りの傾斜は10%、歩行速度は6MWTの75%、時間はできるだけ長く20を目標に(最低15分)

DWLはDWと同様のセッティングで体重の10%の重りをベストに入れて着用(負荷量を増加させる目的で)

LWはトレッドミルで傾斜をつけずに歩行

・必要であればサイドバーを持っても良い。

 

・アウトカム測定:大腿四頭筋力をそれぞれの歩行前15分後40分後に測定

・歩行中は呼気ガス分析を実施。

・大腿四頭筋力はDWで15%減少DWではLFFが強く表れていた。

大腿四頭筋力の変化:a)平地歩行 b)下り坂歩行 c)負荷付き下り坂歩行

 

DWとDWLは平地歩行よりもVO2とVEが低かった