Dyspnea-Related Cues Engage the Prefrontal Cortex
-Evidence From Functional Brain Imaging in COPD -
CHEST 2015; 148(4): 953-961
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0012369215502845
背景
呼吸困難感はCOPDの活動制限の主な原因である。環境的なきっかけ(階段を上る状況など)が呼吸困難と関連しており、身体活動を始める前から呼吸困難のトリガーになっているかもしれない。今回の検討では、脳の活動がこのようなきっかけによって異なるかを、COPDと健常グループで比較し、患者においては感情機序の結びつきを反映していると仮説した。
方法
機能的MRI(FMRI)を使用して、41人のCOPD患者と40人の年齢をマッチさせた健常者の呼吸困難による脳の反応を調べた。併せて、自己記入の質問表のスコアとFMRIの関連を調べた。
結果
COPD患者は内側前頭前野皮質と前方帯状皮質に活動が見られ、VASと相関していた。この活動は患者の抑うつ、疲労感、息切れの警戒心の質問への回答と独立して相関していた。前方島皮質、外側前頭前野皮質、楔前部の活性化とVASの息切れスケールが相関していたが、質問とは関連がなかった。
結語
今回の結果は、脳の感情機能回路がCOPDの息切れの発現に関連している重要な解釈がなされ、抑うつ、疲労感、警戒心によって活性化していた。目立った反応が高められたのは、慢性疼痛や喘息の症状の増強と関連しており、COPDでも同じようなメカニズムが確認されるかもしれないことを示唆していた。
・対象は呼吸リハを提供されている40歳以上の軽症から中等症のCOPD患者
・MRIでスキャン中に対象者へ無作為に呼吸困難のきっかけに関連した言葉を伝えた
これらの言葉を確認して、どの程度息切れを感じるか、不安感を感じるかをVASで測定
・運動機能の評価は修正シャトルウォーキングテスト(MSWT)で実施
・COPD患者は、MRI中の言葉によって、呼吸困難を強く感じており、息切れの不安も同様に強く感じていた。
・COPD患者のMRIで息切れ(VAS scale)と関連していた部位:内側前頭前野、前島皮質、外側前頭前皮質、前帯状皮質、楔前部
・健常者のMRIで息切れ(VAS scale)と関連していた部位:前頭前野、前島皮質、被殻、尾状核、角回、縁上回、上前頭回
・COPDと健常者で比較:共通して左脳の前島皮質が反応。COPDのほうが、左脳の内側前頭前野、前帯状皮質が強く反応。健常者では、対照的に、角回、縁上回、上前頭、楔前部が反応。
・抑うつ、疲労感と内側前頭前野、外側前頭前皮質、前帯状皮質の活動に負の相関。
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情動系と呼吸が関係しているという証拠になるかな。
脳の解剖や機能について誰か解説してほしい。。。泣