2017/03/17

握力はウィーニング困難の予測因子である

Handgrip Strength Predicts Difficult Weaning But Not Extubation Failure in Mechanically Ventilated Subjects

 

Respir Care 2015;60(8):1097–1104

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25759461

 

背景

MRCスケールによって分類された筋力低下は、人工呼吸器からの離脱の遅れと関連している。この研究では、握力がウィーニングのアウトカムの予測となるか評価した

 

方法

1年間の前向き研究2つの大学病院の2つのICUで実施対象は、成人で人工呼吸器を少なくとも48時間装着していおり、ウィーニングの基準を満たしている患者。握力はハンドヘルドダイナモメーターを使用してSBT(spontaneous breathing trial:自発呼吸試験)の前に測定治療者は、握力のことは知らずにガイドラインに基づいて抜管した。

 

結果

84人の患者が対象(平均年齢66歳)最初の評価で、平均の握力はウィーニングの国際ガイドラインのアウトカムと強い関連があったウィーニングが簡単(握力 20kg)困難(12kg)、延長した(6kg)人工呼吸器からの離脱時間とICU在室日数は握力が弱いほど長かった

多変量解析にて、COPDの既往性別最初のSBT時点の握力が、ウィーニングの困難もしくは遷延と関係していた抜管後48時間以内の再挿管や予定外の非侵襲換気などの抜管失敗は、92例中14回あり、失敗率は15%だった。握力抜管アウトカムの関連は無かった。

 

結語

握力で評価した筋力低下は、人工呼吸器ウィーニングとICU在室日数の難しさや遷延と関連していた。しかし、抜管アウトカムとの関連は無かった

 

 

・握力評価:できるだけ立位に近い姿勢で、上腕中間位肘90度屈曲3回測定して最良を採用

・筋力低下は、ICU-AWの握力の基準を採用(男性11未満女性7未満)

 

・平均BMI25ICU入院理由;急性呼吸不全ショック昏睡中毒など。敗血症は58人(68.2%)

・平均ICU在室日数13日

・ウィーニングと握力の関係:簡単だった;20kg困難だった;12kg継続;6kg

 

 

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握力以外を見てみると、在室日数や人工呼吸管理の日数が長いほど、抜管困難例が多く、ICU-AW状態になっている。

早期離床で筋力を落とさないようにすることが、リハ職の仕事かな。