Handgrip Strength Predicts Difficult Weaning But Not Extubation Failure in Mechanically Ventilated Subjects
Respir Care 2015;60(8):1097–1104
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25759461
背景
MRCスケールによって分類された筋力低下は、人工呼吸器からの離脱の遅れと関連している。この研究では、握力がウィーニングのアウトカムの予測となるか評価した。
方法
1年間の前向き研究。2つの大学病院の2つのICUで実施。対象は、成人で人工呼吸器を少なくとも48時間装着していおり、ウィーニングの基準を満たしている患者。握力はハンドヘルドダイナモメーターを使用してSBT(spontaneous breathing trial:自発呼吸試験)の前に測定。治療者は、握力のことは知らずに、ガイドラインに基づいて抜管した。
結果
84人の患者が対象(平均年齢66歳)。最初の評価で、平均の握力はウィーニングの国際ガイドラインのアウトカムと強い関連があった。ウィーニングが簡単(握力 20kg)、困難(12kg)、延長した(6kg)。人工呼吸器からの離脱時間とICU在室日数は握力が弱いほど、長かった。
多変量解析にて、COPDの既往、性別、最初のSBT時点の握力が、ウィーニングの困難もしくは遷延と関係していた。抜管後48時間以内の再挿管や予定外の非侵襲換気などの抜管失敗は、92例中14回あり、失敗率は15%だった。握力と抜管アウトカムの関連は無かった。
結語
握力で評価した筋力低下は、人工呼吸器ウィーニングとICU在室日数の難しさや遷延と関連していた。しかし、抜管アウトカムとの関連は無かった。
・握力評価:できるだけ立位に近い姿勢で、上腕中間位、肘90度屈曲。3回測定して最良値を採用。
・筋力低下は、ICU-AWの握力の基準を採用(男性11㎏未満、女性7㎏未満)
・平均BMI25、ICU入院理由;急性呼吸不全、ショック、昏睡、中毒など。敗血症は58人(68.2%)
・平均ICU在室日数13日。
・ウィーニングと握力の関係:簡単だった;20kg、困難だった;12kg、継続;6kg
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握力以外を見てみると、在室日数や人工呼吸管理の日数が長いほど、抜管困難例が多く、ICU-AW状態になっている。
早期離床で筋力を落とさないようにすることが、リハ職の仕事かな。