Early versus Late Pulmonary Rehabilitation in Chronic Obstructive Pulmonary Disease Patients with Acute Exacerbations: A Randomized Trial
Respiration 2012;83:499–506
http://www.karger.com/Article/FullText/329884
背景
COPD患者の呼吸リハを増悪後早期から行うか、安定期になってから行うかの違いを比較した研究は無い。
目的
COPD増悪期の早期リハと安定後リハの効果の効果とQOLを比較すること。
方法
無作為にCOPD患者を早期介入(2週間以内)と安定後リハ介入(6カ月後)に振り分けた。プライマリーアウトカムは18カ月後の増悪率、セカンダリーアウトカムはHRQOLと死亡率。多変量解析と intention-to-treat解析を実施。
結果
36人の患者を無作為化した。早期リハはステロイドや抗生剤の必要な増悪が平均2.61±2.96、安定後リハは2.77±3.41。18カ月後、安定後リハの患者は、より息切れを経験していた(CRDQの息切れドメインとMRC)が、どちらも、HRQOLドメインで統計的な有意に近かった。
結語
早期リハと安定後リハの統計的な有意差は認められなかった。しかし、早期リハは増悪後のHRQOLの回復が、安定後リハに比べて早いかもしれない。
・gold ステージで2から4、40歳以上で急性増悪の治療中の患者。
・増悪の定義は、週のほとんどがいつもより症状が悪化しており、入院もしくは外来にて医療的な治療が必要な患者。
・増悪以外の入院、NIVを長期間使用している、喘息など他の呼吸器疾患がある患者は除外。
・リハ内容は、12週間入院もしくは外来にて実施。入院が必要な増悪やADO index5-7点の患者は、3週間入院し9週間外来で実施。
・ADO index 5点未満や軽症の増悪患者は12週間外来リハを実施。
・運動は持久力、筋力トレーニング、体操を実施。患者教育も並行して実施。
・解析対象の人数は、15人vs13人。
・患者背景:肺機能やQOLはほぼ同等
・早期リハの方が、アウトカムは良好。ただし、統計的な有意差までは至らなかった。
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早期介入の方が良いことは多いのかもしれない。
個人的には、時期によって運動負荷を変えながら運動をできれば、良い結果になるんじゃないかと思っている。その後の増悪の予防には、疾患知識の理解も重要だと思う。