2017/02/24

CPFE(気腫合併肺線維症)の呼吸リハの効果

Combined pulmonary fibrosis and emphysema: effect of pulmonary rehabilitation in comparison with chronic obstructive pulmonary disease

 

BMJ Open Resp Res 2016

 

http://bmjopenrespres.bmj.com/content/3/1/e000099

 

目的

気腫合併肺線維症(combined pulmonary fibrosis and emphysema:CPFE)患者の入院呼吸リハでの短期間の効果を検討し、COPD患者との効果を比較すること。

 

デザイン

後方視研究

 

方法

3週間の入院呼吸リハを施行。評価項目は、肺機能、6MWTQOLとしてSF-36

 

結果

17CPFE患者と49人のCOPD患者がプログラムを完遂した年齢性別喫煙歴BMIMRCを両グループで比較

CPFEグループは、FEV1.0が改善6MWDに改善は無かったQOLの身体機能のドメイン社会的機能のドメインが著しく改善

COPDグループでは、FEV1.06MWTSF-36の8個中4個のドメインにて改善が得られた。

CPFEとCOPDを比較すると6MWDの変化量に有意差があった(-16.6m vs 30.2m)SF-36の2つのドメインでも有意差があった(Vitality と Social function)

 

結語

短期間の入院呼吸リハによって、COPD患者はCPFE患者よりも大きな効果があった。

 

CPFEの診断基準は、高解像度CT(HRCT)で上部胸郭の25%以上に気腫化があり、下肺野に線維化があること。

(簡単に言えば、上肺野はCOPDで下肺野が間質性肺炎の状態)

・リハプログラムは3週間。内容は、運動療法、呼吸練習、教育。

・運動強度はBorg息切れスコアが5SpO2が89%以上で実施

時間はPT40分OT40分実施

 

・CPFEの平均FEV1.0は1.7L(%予測で70.6%)COPDの平均FEV1.0は0.8L(%予測で33.8%)

・6MWDの変化量:CPFEはCOPDに比べて改善しにくい。

・QOL(SF-36)点数が高いとQOLが良好であると判定。

 :CPFEはPF以外全体的に低下している。

 

 

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過去に1例だけ経験があるが、低酸素に容易になってしまい、運動療法はいつもSpO2とにらめっこ状態だった。運動機能よりも、低酸素になりやすい状態でどのように生活するか、QOLを保つかが目標になるのかな。