2017/02/09

軽症COPD患者に呼吸リハは有効か

Impact of Pulmonary Rehabilitation in Subjects With Mild COPD

 

Respir Care 2014;59(10):1577–1582.

 

http://rc.rcjournal.com/content/59/10/1577.short

 

背景

呼吸リハ(PR)は、中等症から最重症のCOPD患者管理の中核を担う。しかしながら、大腿四頭筋力や健康関連QOLの障害が軽症COPDにもあることは知られているが、これらの患者にPRが有益かについては介入が必要である。このように今回の研究では、軽症COPD患者に対してのPRの影響について評価すること。

 

方法

26人の参加者(67.8才、%FEV1 83.8%)に12週間のPRプログラムを実施肺機能検査はスパイロメトリー、息切れはmMRCバランス能力はTUG筋力は10RM、運動耐容能は6MWT感情機能は抑うつ不安ストレススケールQOLはSGRQを使用

 

結果

息切れとバランス能力、肩屈曲/膝伸展筋力、運動耐容能が改善。SGRQもPR後に改善PRは肺機能と感情機能には影響及ぼさなかった。

 

結語

軽症COPD患者において、PRは有効であり、ルーチンで行われるべきである

より洗練したデザインと長期間のフォローアップが軽症COPDにおけるPRのガイドラインの情報が必要である

 

・12週間の介入内容:運動を週3回1回60分教育セッションを週に1回1回90分

・運動の内容ウォームアップとクールダウンを含め、ストレッチ、低強度有酸素運動、呼吸練習(5-10分)

6MWTの平均速度の60-80%付加での持続トレーニング。トレーニング強度は修正Borgで4-6の息切れ、疲労感で調整

・筋トレは7種類10RMを2セット実施10RMの50-85%付加の重りを使用し、上下肢の運動を実施

・バランストレーニングを静的・動的姿勢にて実施(5分)

・教育セッションは、COPDについての情報薬剤管理ライフスタイル転倒感情コントロール地域資源

 ・リハ前後での比較

 

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軽症の患者って、自覚症状が乏しくて継続が難しいと思う。今回もMRCは1だし。運動も大事だし効果もある。

将来起こり得ることへの備えという意味でも、行動変容も目的とした教育セッションの方が大事なんじゃないかと思う。