Disability and Recovery of Independent Function in Obstructive Lung Disease: The Cardiovascular Health Study
Respiration. 2014 ; 88(4): 329–338
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25228204
背景
慢性閉塞性肺疾患はよく活動制限を引き起こす。高齢患者は活動制限と自立の変化を経験しているかもしれない。
目的
活動制限の状態と機能的自立の変化との関連要因を検討すること
方法
4394人の循環器研究に参加しており気管支拡張剤吸入前の肺機能検査を行っている患者が対象。1年間の1つ以上の手段的ADL(IADL)もしくは、1つ以上のADLの障害を解決するかを分析。
相対的リスク回帰分析を用いて、活動制限解決の要因を同定した。
結果
IADL制限の問題は、肺機能検査で中等度(23.9%)と重症(36.9%)の患者でより多く見られた。重症の患者において、IADLの23.5%、ADLの40.5%が回復した。調整された分析において、気流閉塞はIADLの予測因子であり、ADL制限の予測因子ではなかった。重症の気流制限のある対象は、IADL制限をあまり解決できない(RR 0.67 and 95% confidence interval (CI) 0.49–0.94)。最も活動的な対象者(1週間に28ブロック以上歩くような)と比べて、あまり歩かなかった対象者はIADLの問題解決の可能性が低かった(7–27 blocks: RR 0.81 and 95% CI 0.69–0.86 and <7 blocks: RR 0.73 and 95% CI 0.61– 0.86)。筋力の向上は、IADL障害の解決と関係していた。
結語
活動制限は、高齢者、特に重症の気流閉塞のある者に共通している。身体活動性の向上と、筋力の向上は、回復と関係していた。閉塞性肺疾患で活動制限のある患者において、これらを向上させる要因の研究が必要。
・ADLの項目;家の周りを歩行、ベッドから起きる、食事動作、整容動作、入浴、トイレ
・IADLの項目:重たい物を持つ、軽い物を持つ、買い物、食事の用意、お金を払う、電話を使う
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閉塞性疾患では、ADLよりもIADLの方が制限されやすい。IADLが改善した患者は、活動性が高く、筋力が強かったらしい。
運動がIADL改善に影響しているかもしれない。