Dynamic hyperinflation and dyspnea during the 6-minute walk test in stable chronic obstructive pulmonary disease patients
International Journal of COPD 2015:10 153–158
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4304629/
背景
この研究の目的は、COPD患者の6MWT中の動的肺過膨張と息切れの特性を検討すること。
方法
23人の安定期中等度COPD患者(平均年齢73.8歳、全例男性)。6MWT中の、換気とガス交換のパラメーターをポータブル呼気ガス分析システムにて測定。息切れと酸素飽和度はテスト中2分間ごとに記録。
結果
6MWT中の吸気量(IC)は著しく減少。これは動的肺過膨張の出現を示唆している。息切れは直線的に増加し、ICと負の相関が認められた。6MWT中の息切れの理由の1つが動的肺過膨張であることが示唆された。1回換気量も2分後にわずかに増加し、息切れは6MWTの最後まで直線的に増加していた。
結語
これらの結果は、6MWT中の息切れを来たすメカニズムが、早期の呼吸努力の感覚と中枢モーターコマンドアウトプットと呼吸システム活動のミスマッチであると示唆された。
・6MWTは88mの長方形のトラックに34mの長さを取って測定。
・呼気ガスはポータブルのものを使用、ブレスバイブレス法で測定。ICは6MWT中に立位にて2分毎に測定。
・息切れは修正Borgで測定し、2分ごとに聴取している。
・ICの減少と息切れのBorgに負の相関
・ICが減少するということは吸気予備量(IRV)も減少しているということ。6分後にはほとんど吸えない状態になる。
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秋田の有名な先生の報告。COPDの病態や運動時の状態がきれいに反映されていてとても分かりやすい。