Randomized trial of non-invasive ventilation combined with exercise training in patients with chronic hypercapnic failure due to chronic obstructive pulmonary disease
Respir Med. 2014 Dec;108(12):1741-51
http://www.resmedjournal.com/article/S0954-6111(14)00355-2/abstract
背景
非侵襲的換気(NIV)と運動がCOPD患者の管理の効果を向上させるかもしれない。
目的
COPDによる慢性呼吸不全患者に対して、2つの介入方法で、運動とNIVを併用した効果を比較した。
方法
45人の重症患者をランダムに3グループに分けた。運動のみ、NIV
のみ、併用。介入期間は12週間。主な評価指標は、運動耐容能。次いで、ガス交換能、骨格筋力、BODE index、QOL、全身炎症反応
結果
3グループとも介入後の運動耐容能は向上していた。加えて、骨格筋力と6MWDはNIV後に向上していた。併用したグループとNIVのみのグループで準最大努力(
運動耐容能)と酸素消費に違いがあった。呼吸機能の変化は、NIVと併用後に改善し、有意差があった。BODE index、息切れの程度、QOLは3つすべてのグループで向上。インターロイキン8のレベルと腫瘍因子はNIV後に減少し、インターロイキン8、CRP、サーファクタントタンパクDはトレーニング後に減少、併用後には、これらすべてのマーカーが減少してした。グループ間に有意差は無かった。
結語
換気と運動の併用は、それぞれ分けて行った結果よりも良い効果がもたらされた。
加えて、運動耐容能、BODE index、息切れ、QOLはすべてのグループで改善した。
・運動療法のみのグループ:毎週3回を12週間継続。抵抗運動と筋力トレーニングを実施。
・NIVのみのグループ:NIVはbi-levelでネーザルマスクを着用。IPAP10cmH2O、EPAP4cmH2O、STモード。IPAPは最大20cmH2Oまで上昇可能。装着時間は夜間6-8時間。
・併用グループ:上記の内容を併用。日中運動し、夜間はNIVを装着して寝る。
・評価項目は、最大運動負荷試験、筋力(1RM)、6MWT、BODE index、肺機能検査
、mMRC、CRDQ。バイオマーカーはCRP、IL-6、IL-8、TNF-α、SP-D。
・6MWDの比較。併用するとより大きく改善していた。各グループとも前後で比較すると有意差あり。
・PaCO2は運動のみでは改善せず。
・運動持続時間は運動療法のみが最も改善。VO2は併用した方が大きく改善。NIVのみは低下している。
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夜間NIVを装着することで、呼吸筋疲労の軽減にもなり、睡眠の質も改善。すると、日中の活動レベルも向上し、良い影響をもたらす。というサイクルにはまれば、NIVや運動のコンプライアンスも高まる気がする。
リハもそうだけど、導入が一番難しくて一番重要だとよく思う。