Pulmonary Rehabilitation in COPD: Effect of 2 Aerobic Exercise Intensities on Subject-Centered Outcomes—A Randomized Controlled Trial
Respir Care. 2015 Nov;60(11):1603-9.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26221044
背景
運動療法は呼吸リハの重要な内容であるが、どの程度の運動強度が患者のアウトカムに効果があるかは疑問のままである。目的は、2つの運動強度で行い、QOL、症状管理、運動耐容能への効果を比較すること。
方法
34人の軽症から最重症のCOPD患者を無作為に、運動強度が最大負荷の60%と80%のグループに均等に分けた。介入方法は外来呼吸リハで、週3回を8週間実施。アウトカムはSGRQ、Mahlerの息切れインデックス、LCADL、6MWT、定常負荷と漸増負荷の運動テスト。
結果
対象は無作為に60%負荷(グループ1、17名)と80%負荷(グループ2、17名)に分けられた。両グループともすべてのアウトカムが改善していた。変化量の平均に差がなかったのはSGRQ、息切れインデックス、LCADL、6MWT、定常負荷運動テスト、漸増負荷運動テスト。1例のみ運動によって心血管症状イベントが発生した。
結語
有酸素運動強度は少なくとも60%負荷でCOPD患者のアウトカムにポジティブな効果をもたらし、80%負荷にしても追加効果は無かった。
・介入方法:20セッションの外来リハでの運動と教育セッションで構成。
有酸素運動は週3回、トレッドミルもしくはエルゴメーターで決められた負荷(60% or 80%)で30分間実施。
筋力トレーニングは週2回、1RMの50%負荷で1セット8回を3セット実施。
柔軟性トレーニングは週3回、7つの大関節を5秒間ストレッチした。
教育セッションは5種類(病態、薬剤、呼吸法、運動、排痰法)のスキルトレーニングをグループオリエンテーションで実施。
・平均年齢66歳、FEV1.0 1.6L、%FEV1.0 55.7%
・各評価の変化量:すべて有意差無し
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高負荷にすればするほど効果が大きいというわけではなかった。対象を増やしたらどうなるだろうか。
高負荷の運動は、若い対象だからできることだし、運動のアドヒアランスを得るにはやはり低負荷の方がいいと思う。個人差はあるけど。