Evaluation of effects of shoulder girdle training on strength and performance of activities of daily living in patients with chronic obstructive pulmonary disease
International Journal of COPD 2013:8 187–192
背景
COPD患者は、上肢を使ったADL制限を生じている。肩甲帯のトレーニングとADLの影響についての情報は少ない。目的は、肩甲帯のトレーニングとして上肢の対角線の運動が上肢筋力の向上とADLの改善につながるかを検討すること。
方法
35人の中等症から重症のCOPD患者を対象。年齢は36-80歳。漸増上肢テストと、8種類のADL動作を8週間のリハ前後で実施。
結果
上肢筋力は向上した。上肢テストの最大負荷で、呼吸数は33回から27回に減少。息切れのBorgは2から0.5に減少。ADL動作中のこれらのパラメーターは変化なかった。
結語
肩甲帯トレーニングは上肢筋力を向上させたが、ADLパフォーマンスの改善は見られなかった。
・漸増上肢テスト:2分間運動できる最大の重さ(ダンベル)を決める。PNFテクニックの対角線の動きを行う。
・ADL動作:歯磨き、洗顔、髪を結う、シャツを着る、シャツを脱ぐ、靴を履く、靴を脱ぐ、髭剃り(男性)orワックスをつける(女性)
・上肢トレーニング:1セッション最低30分、最大負荷の50%で実施。固有感覚神経筋促通手技(PNF)の基本原理をもとにトレーニング。
・PNFの動きは他の関節運動と比べて、複数の関節と筋肉を使った運動である。
・この運動を両上肢1分ずつ実施。回数は患者の能力に応じて設定。
・上肢テスト前後での息切れは改善。
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いくらPNFが肩甲帯の関節や筋を動員する運動だからといって、それだけをしていても症状やADLは改善しなかった。
"運動の特異性"を考慮したプログラムじゃないと時間の無駄になるということかな。再認識。