The influence of anxiety on health outcomes in COPD
Thorax . 2010 March ; 65(3): 229–234
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20335292
背景
心理学的な機能は慢性肺疾患患者の健康アウトカムに重要な要因である。COPDにおける不安の役割を明確にし、COPD大規模コホートで不安とCOPDの関係を検討した。
方法
1202人のCOPD患者とコントロール群302人で検討。不安はHADSで評価。
結果
COPDは、多変量解析にて不安と関係していた。また、不安が運動パフォーマンスの悪さや自己報告の機能制限と関係していた。不安のあるCOPD患者は、Coxハザード解析にて将来のCOPD増悪リスクと強く関係していた。
結語
COPDは不安のリスクが高い。不安が強くなると、健康アウトカムが悪化した。全体的なスクリーニングと不安の治療がアウトカムを改善させるかについては、更なる検討が必要。
・HADSのカットオフは8点。11-14点は中等度、15-21点は重度と判定
・健康状態の評価はSF-12の身体的サマリースコア(PCS)を使用。健康関連QOlはthe Airways Questionnaire 20 revised(AQ-20R)で評価。高スコアほど、QOLが悪化していると判定
・運動能力は6MWT。自己報告の機能制限は10個の動作に関する質問からなり、動作の難しさについて評価。
・健常者に比べてCOPDのほうが不安の割合が高かった。COPD重症度(BODE index)が高いと、不安の高リスクと関係していた。肺機能との関連は明確ではなかった。
・カプラン-マイヤー曲線で、ベースラインで不安が高いと、将来の増悪リスクが高かった。不安の重症度と増悪リスクには関係が認められた。
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HADSで評価したなら、抑うつスコアの結果も知りたいところだけど。肺機能単独よりもBODEのような複合的な評価との関連という結果は、肺機能が低下する以外の要因の影響があるかもということかな。