Dynamic hyperinflation during treadmill exercise testing in patients with moderate to severe COPD
J Bras Pneumol. 2012;38(1):13-23
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22407036
目的
中等症から重症のCOPD患者における、トレッドミル運動テスト中の動的肺過膨張の起こる特徴、程度、パターンを検討すること。
方法
対象は30人のCOPD患者。最大速度の70-80%の速度で、症候限界まで心配運動負荷試験を行い、低酸素血症にならなかった患者。吸気予備量(IC)で動的肺過膨張の評価を実施。
結果
30人中19人の患者に動的肺過膨張があり、動的過膨張のなかった患者よりも肺機能の低下が大きかった。動的過膨張のなかったグループと、運動耐容能との相関はなかった。一方、運動中の症候限界、IC、息切れの程度は動的過膨張のあるグループと相関があった。動的過膨張のあるグループにおける、動的過膨張のパターンは7人が漸増、12人は一定のパターンだった。漸増パターンの患者は一定パターンの患者より呼吸困難や耐久時間(分)の値が高く、運動耐容能が低かった。
結語
動的肺過膨張は、中等症から重症のCOPD患者の歩行中に必ず生じる症状ではなかった。動的肺過膨張の出現した患者で、漸増パターンは、一定パターンよりも運動耐容能に影響が大きかった。
・最初に肺機能と漸増心肺負荷試験(トレッドミル)を実施。最大運動負荷の70-80%の速度でテストを実施する。
・テスト中2分ごとに息切れ、下肢疲労感を修正Borgスケールで聴取。
・動的肺過膨張は安静時のICと比較して、減少していることで判断。動作中のICはTLCからの推定。
・平均年齢67.4歳、FEV1.0 1.1L,%FEV1.0 43%、FVC 2.3L、IC 1.7L
最大運動時のVO2 1436L/min,SpO2 91%、息切れ7、下肢疲労感5
・動的肺過膨張があるグループは、無いグループよりも最大運動時間が短く、息切れと下肢疲労感が強かった。
・ICとの相関があったのは、最大運動時間(r=0.54)、呼吸困難(r=0.57)。呼吸困難間と相関があったのは最大運動時間(r=-0.48)
・動的過膨張には2パターンあり、最大運動時間や自覚症状に有意差がある。漸増するほうがややパラメーターが低かった。
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動的肺過膨張はCOPDの運動制限の原因の1つだけど、あるポイントからあまり過膨張しなくなる患者がいたのは興味深い結果。呼吸法の使い方とか普段から活動性が高くて、動くことに慣れてるとか?