2016/12/30

COPD患者の不安、抑うつ、QOLをリハ前後で比べてみた。

Effect of a pulmonary rehabilitation program on the level of anxiety and depression and on the quality of life of patients with chronic obstructive pulmonary disease

 

Rev Port Pneumol. 2014 Nov-Dec;20(6):299-304

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24874610

 

目的

COPD患者の不安抑うつQOLのレベルごとの呼吸リハプログラムの効果を検証すること。

 

方法

週31回60分の呼吸リハを12週間(合計36回)完了した患者評価項目はBAIとBDISGRQ

 

結果

125が対象。平均年齢63.7FEV1.0 1.17L%FEV1.0 43.18%男性61.6%リハ前後の比較では、

BAI:10.15 VS 7.76(P=0.0041)

BDI:12.6 VS 8.96(p=0.00016)

SGRQ

symptom:48.53 VS 32.58

Activity:69.15 VS 52.42

Impact:32.92 VS 20.27

Total:46.69 VS 32.07

BDIとSGRQの間に弱い相関があった。同様に、BAISGRQにも弱い相関があった。

 

結語

呼吸リハは不安、抑うつ、QOLを改善させるが、これらの変数には強い相関はなかった。

 

BAIBDI:the Beck scales for Anxiety and Depression21個の設問に4択(0-3)で回答。極小(0-11点)軽度(12-19点)中等度(20-35点)重度(36-63点)で判定。

SGRQは呼吸器疾患特異的QOL指標で、100点満点で評価点数が低いほどQOLが高いと判定症状活動、影響、合計の4つのドメインで判定する。

・リハ前はBAI軽度が多く(57.6%)リハ後にはその割合が増えていた(73.6%)

・BDIも同様の傾向にあった(55.2%→80.0%)

・ただ、QOLとの相関はあまり強くなかった(r=0.2-0.5)

 

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身体機能のパラメーターと比較してるのかと思ったら、違った。残念。

リハすれば良くなるのはエビデンスもあるし、当然といえば当然の結果かな。不安、抑うつがQOLに関係するという報告もあるようだが、QOLって概念はそんな単純なものではないと思う。