Respiratory Muscle Fatigue following Exercise in Patients with Interstitial Lung Disease
http://www.karger.com/Article/FullText/338787
Respiration 2013;85:220–227
背景
間質性肺疾患(ILD)において運動の結果として、呼吸筋疲労が生じるかどうかについてや、動的肺活量の変化がどの程度あるのかについてあまり知られていない。
目的
ILD患者の呼吸筋疲労がどの程度あるのかと、運動中の換気パターンを評価すること。
方法
16人のILD患者(11人女性)を対象に、漸増症候限界自転車エルゴで吸気予備能の変化を呼気終末肺気量(EELV)で評価。横隔膜圧(TwPdi)と食道内圧(TwT10Pga)を磁気刺激への反応を疲労の評価として使用した。
結果
TwPdiは運動前後で変わりなく、TwT10Pgaも同様であった。EELVは2.18Lから1.91Lへ減少していた(p=0.04)。TwT10Pgaの低下は、最大酸素摂取量、脈拍の増加、運動中のEELVの減少と相関していた。
結語
腹部筋の疲労が運動中に何人かのILDで見られ、EELVの減少によって、呼気筋活動の上昇と関連していることが分かった。
・呼吸筋力の評価方法は、食道と胃にバルーンを留置し、最大吸気圧と呼気圧、鼻腔圧、咳をした時の食道圧などを測定。
・横隔膜の強さ(transdiaphragmatic pressure at bilateral phrenic nerve twitch (TwPdi)磁気信号の強さで評価。
・腹部筋の強さ(gastric pressure at twitch T10 nerve roots (TwT10Pga)は刺激を加えてからの腹筋の反応で評価。
・運動テストは、運動負荷試験のような形を実施。1分ごとに10wずつ増加し、呼気ガス検査を使用。運動前後に血ガスを採取。
・1分ごとに動的肺気量、EELVを測定するために吸気予備能(IC)を評価。
・平均年齢59歳、BMI27、%FEV1.0 76%、%TLC 74%、Pimax 77cmH2O、Pemax 84cmH2O
・運動中のパラメーターで疲労群と疲労無し群の有意差は、最大EELV、%EELV変化、ΔTwT10Pga。
・全肺気量(TLC)のうちそれぞれの項目がどれくらいを占めていたか。a呼気終末肺気量(EELV)、b予備吸気量(IRV)、c吸気終末肺気量(EILV)、d1回換気量(TV)
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運動時間が長くなると、吸気後の肺気量が増えていて(図c)、予備吸気量が減っている(b)=吐き切れていない;動的肺過膨張のような状態?1回換気量は増えてはいるけど、もしかしたら必要な量は確保できていないのかもしれない。
呼吸補助筋じゃなくて、主動作筋を評価するとは、かなり過酷な評価だな。