Dyspnoea and comorbidity contribute to anxiety and depression in interstitial lung disease
Respirology (2014) 19, 1215–1221
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/resp.12360/abstract
背景
間質性肺疾患(ILD)患者の不安の罹患率についてはあまり知られておらず、抑うつの要因も明らかでない。目的は、ILD患者の不安と抑うつの罹患率と予測因子を明らかにすること。
方法
124人のILD患者(平均64歳、48人がIPF)が対象。不安と抑うつはHADSで評価し、確診、疑い、ボーダーラインに分けた。関連を調べたのは、患者背景、肺機能、6MWT、mMRC。
結果
不安があったのは31%、臨床的に著しい不安は12%。抑うつは、23%にあり、臨床的に著しいのは7%だった。不安の独立した予測因子は、高いmMRC、歩行中のSpO2の最低値 。抑うつの独立した予測因子は、高いmMRC、併存症の数が多いこと。
結語
不安と抑うつはILD患者の少数に顕著に存在していた。呼吸困難感と併存症は介入するために重要なものかもしれない。
・HADS(the Hospital Anxiety and Depression Scale):14問の自己記入式評価表。不安と抑うつそれぞれのスコアが算出され、各21点満点で評価。11点以上は不安・抑うつが顕著にあり、8-10点は不安・抑うつの可能性あり、7点以下は不安・抑うつ無しと判定( by Zigmond and Snaith)
・対象患者の疾患内訳:IPF48人、過敏性肺炎12人、膠原病11人、サルコイドーシス11人、肺リンパ脈管筋腫7人、非特異的間質性肺炎6人
・FVC2.56L、%FVC72%、6MWD427m
・不安スコアで、確診にあたるのはごく少数。抑うつも同様(下図)
aが不安、bが抑うつ。
no case:不安、抑うつ無し、borderline:疑いあり、case:確診
---------------------------------------------
各疾患とも確診に至ったのは、2,3人程度。疑いを含めても半分にも満たない結果ということで、間質性肺疾患患者は、不安抑うつ傾向は少数であったとのこと。
多変量解析での結果、呼吸困難と併存症ということは、自覚症状が強くなっていたり、痛みや体の不調を多く自覚するようになると、不安抑うつ傾向が強くなるということかな。
"病は気から"とは良く言ったものだなと良くも悪くも最近よく思います。