Effect of manually assisted cough and mechanical insufflation on cough flow of normal subjects, patients with chronic obstructive pulmonary disease (COPD), and patients with respiratory muscle weakness
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1746077/
Thorax 2001;56 438:438–444
背景
効果的な咳はアシストテクニックによって改善することが示唆されている。徒手的介助による咳と、吸気の機械介助による咳を検討した。
方法
生理的な動作と患者自身による徒手的なアシストと、機械的な吸気を29人の患者に調査した。(9人健常者、8人COPD、4人脊柱側彎症による呼吸筋力低下(RMW)、8人脊柱側彎症でない呼吸筋力低下)
結果
ピークカフフロー(PCF)と咳の呼気量は、健常者における徒手的介助、機械吸気のみ、徒手的介助と機械介助の併用で、増加はなかった。
平均的なPCFは、脊柱側彎症のないRMWの患者において、徒手的介助もしくは、機械介助の併用で、84L/min、144L/minの上昇があり、特に、これらのテクニックによる咳の呼出相の改善に反映された。徒手的な咳介助と機械的介助の併用は、それぞれのテクニックのみのグループよりもピークの呼気フローが高かった。
脊柱側彎症のようなイレギュラーな胸郭と固定化された吸気圧には、効果的な徒手的介助と機械介助はこの対象には困難で、改善は見られなかった。
COPD患者において、徒手介助のみと機械介助の併用はピーク呼気フローでは、144L/min、135L/minへ減少。
結語
徒手的咳介助と機械介助は、脊柱側彎のないRMWの患者において、分泌物の喀出の介助となるべきである。
・徒手的咳介助の方法:最大咳呼出中に胸郭を圧迫し続ける。
・機械的咳介助の方法:20cmH2O、-20cmH2Oの圧を加える。
この旧型のカフマシーンを使用した様子。
・COPD患者のFEV1.0は平均44%
・典型的な咳のフローとボリューム
A:健常者、B:COPD、C:脊柱側弯症
BとCはかなり低い。咳になってるんだろうか?
・側弯症のない呼吸筋力低下患者の結果。
徒手介助(MAC)、機械介助(MI)、徒手+機械介助(MI+MAC)での喉咽頭圧
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10年以上前の報告だが、咳の強さを高めるなら徒手+機械。単独の方法なら徒手介助の方が効果的であったとのこと。
カフマシーンの設定がもう少し高ければ結果は違うかもしれない。
COPDに限らず、咳の力が落ちてしまった患者の誤嚥性肺炎予防のツールとしてもっと普及していいと思うが。