2016/11/13

呼吸リハを行った間質性肺炎患者の身体活動性とQOLの効果

Physical Activity and Quality of Life Improvements of Patients With Idiopathic Pulmonary Fibrosis Completing a Pulmonary Rehabilitation Program

Respir Care. 2014 Dec;59(12):1872-9

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25185149

 

背景

呼吸リハはCOPD患者には効果的であるがIPF患者において特に身体活動性や健康関連QOLにおいて明らかではない。

 

目的

呼吸リハが、IPF患者の身体活動性(the International Physical Activity Questionnaire (IPAQ))QOL( the St George respiratory questionnaire for IPF (SGRQ-I) )症状( the Borg dyspnea index (BDI))が改善するかを検討すること。

 

方法

対象は、IPFと診断されている患者を無作為に3か月の呼吸リハ(n=11)とコントロール(n=10)に分類リハは、週2回90分の運動療法(計24回)を実施コントロールグループは通常通りの身体活動を維持した。全対象者に運動後のBDIを評価するための6MWTを実施

SGRQ-Iと5点満点の健康に関する自己評価をベースランと介入3か月フォローアップの3か月後に実施毎週IPAQを記録

 

結果

リハグループで3か月のリハプログラム期間を通して高い身体活動性を記録したSGRQ-Iの症状スコアはリハグループで-9±22点の改善し、コントロールグループは悪化していた。3か月のフォローアップ中リハグループの自己評価の身体活動レベルは14428METsでコントロールグループは16923METSであり、リハグループの活動とかなりの逆転が示された6MWT後のBDIスコアは大きな変化は無かった

 

結語

3か月のリハプログラムは症状と身体活動レベルを大きく改善させる

 

・リハプログラムは、教育、運動、筋力トレーニングを実施。

・教育内容:薬剤の使用呼吸法、運動、栄養、肺生理学心理的な対処方法コントロールグループには教育の内容を読めるようにした。

・運動療法:30分の持久力トレーニング20分の柔軟性の運動、25分の筋力トレーニング持久力トレーニングは20分のトレッドミルと10分の自転車エルゴ。負荷はHRmaxの70-80%

・運動中SpO2が88%以上維持できるように酸素療法を実施

・筋トレは上下肢の大きな筋肉をターゲットに実施。黄色のセラバンドから始めて、赤から緑へと段階的に負荷を増量

・自宅でもセラバンドの運動を週2回行うようにした

・対象:年齢70歳前後。6MWD350m程度。

・自己申告の身体活動性(IPAQ)の結果では、リハ期間は介入グループで高い身体活動を記録したが、介入後3か月間は低下していた

 

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間質性肺炎でもしっかりとしたプログラムを実施できれば活動性は上がるが、今回は、継続性については不明。

疾患に限らず、いかに継続して活動性を保てるかについて、これからのリハ職や医療者は考えないといけないのだろう。