2016/11/11

COPD患者のNPPV:高強度と低強度の設定どちらが良い?

High-intensity versus low-intensity non-invasive ventilation in patients with stable hypercapnic COPD: a randomised crossover trial

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20388753

Thorax 2010;65:303-308

 

背景

従来型の低強度で非侵襲的陽圧換気(NPPV)を実施し、安定期高CO2のCOPD患者への生理的硬効果と臨床的効果は限定的である

 

目的

高強度でNPPVを実施することが夜間低換気のコントロールにおいて低強度NPPVよりも優れているかを明らかにすること。

 

方法

無作為化クロスオーバー試験。高強度(平均IPAP28.6mbar)と低強度(平均IPAP14.6mbar)に分けて、6週間17人の安定期重症高CO2血症のCOPD患者に実施。

高強度はControlled Ventilation 低強度はAssisted Ventilation

 

結果

2人は拒否し、2人はドロップアウトしたため、13の患者が対象。高強度NPPVは平均治療効果が96ml.高強度NPPVの夜間PaCO2の治療効果は9.2mmHg. 日中NPPVの使用は低強度と比て高強度NPPVで改善していた(平均使用時間3.6時間/日)加えてベースラインと比較して高強度NPPVでのみ動作時息切れ日中PaCO2FEV1VC、the Severe Respiratory Insufficiency Questionnaire Summary Scoreが改善していた。

 

結語

高強度NPPVは重度高CO2血症COPD患者に許容でき、従来よりも良い結果をしめした。夜間低換気のコントロールにおいて低強度NPPVが広く使用されている高強度NPPVはこれらの患者の新たな治療オプションとなりえる。

 

・患者は無作為に高強度→低強度か低強度→高強度のどちらかに割り当てられた

・入院中にNPPV導入に成功したら退院し6週間自宅にてNPPVを使用

・次に、モードを変更し、再び6週間自宅にて実施

・評価は、肺機能、Pimax6MWTHRQOL酸素療法中の動脈血

NPPVは加温加湿器付きを使用IPAPを40mbarまで上がるように設定

・高強度NPPVはアシストコントロールモードを使用高強度NPPVはPaCO2が下がるような最大圧までIPAPを段階的に上げていく。

・低強度NPPVはプレッシャーサポートを使用し、IPAP14-16mbarバックアップの呼吸数は8回/分とした。

I:E比は1:2でセットしたが、患者の耐久性を見ながら修正していった。

・高強度NPPV:IPAP 28.6mbarEPAP 4.5mbar

・低強度NPPV:IPAP 14.6mbarEPAP 4.0mbar

・夜間PaCO2は高強度にしたほうがPaCO2の低下が大きい

 

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NPPVの設定の単位が見慣れない単位でどの程度の強度なのかイメージしにくい。とりあえず圧をしっかりかけたほうが、換気が保たれていたらしい。睡眠の質はどうなんだろうか。

NPPVの名称やモードや単位など会社によって違って、いつも混乱する。大人の事情がからむみたいだが、そろそろ統一してくれないだろうか。