hand grip strength is associated with forced expiratory volume in 1 second among subjects with COPD: report from a population-based cohort study
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5065095/
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2016; 11: 2527–2534.
背景
冠動脈疾患と骨格筋の機能障害はCOPDの共通した併存症である。握力は、全身の筋力と関連しており冠動脈疾患とすべての原因の死亡率と関連している。この研究の目的は、COPDの有無に分けて握力を測定し、握力とCOPD重症度との関連と心疾患の影響を評価すること。
対象と方法
スウェーデン北部のCOPD研究のデータを使用。COPDの有無や2005年からの年間の検討を収集。2009-2010年に、441人のCOPDと570人の非COPDにインタビュー、肺機能、握力測定を実施。
結果
COPDと非COPDで握力は似ていたが、心疾患を合併している方が握力が弱かった。GOLDのグレードで比較すると、男女ともGOLD3-4は非COPDよりも握力が弱い。
COPDにおいて、握力は%FEV1.0と関係していたが、身長、性別、年齢、喫煙歴を補正したとき、心疾患とは関連無く、これは男女とも似ていた。
結語
COPDでGOLD3-4の患者は非COPDよりも握力が弱かった。COPDにおいて握力は%FEV1.0と関連していたが、心疾患とは関係なく、これは男女ともに同じ傾向にあった。
・北部スウェーデンでCOPD993人と非COPD993人を対象に実施
・インタビューはmMRC、喫煙習慣、呼吸器疾患、併存症を聴取
・握力測定は座位で肘90度屈曲位にて実施。3回行い最大値を採用。
・対象の平均年齢68歳前後、現喫煙者は非COPDで20%程度、COPDで40-60%。
・握力は、女性平均が26㎏、男性平均は45㎏
・GOLDの重症度別に比較すると非COPDとgrade1、2は大差ないが、grade3,4は有意に低下。
・男女ともCOPDに関わらず、心疾患があると握力が低下していた。多変量回帰モデルでは握力は%FEV1.0と関連していた(p=0.02)
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握力以外の身体機能評価が無くて、握力が%FEV1.0と関連していたとのことだが、下肢筋力や6MWDの評価が加わると結果が違ってくるように思う。単純に握力が弱い=肺機能低下ではなくほかの要因が影響ありそうだが、果たして。