Physical comorbidities affect physical activity in chronic obstructive pulmonary disease: A prospective cohort study
Respirology (2014) 19, 866–872
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24909412
背景
肥満、筋骨格系、神経疾患のような身体の併存症の存在するCOPDは多いが、これらの併存症が身体活動性に影響するかはあまり知られていない。
この研究の主な目的は、COPDと身体的併存症を持つ患者(COPD+PC)と併存症のないCOPD患者(COPD)と健常者の身体活動レベルを比較すること。
方法
各グループ25人ずつが対象。加速度計(Sense wear pro3 Armband)を7日間装着した。
結果
低強度の身体活動(1.5-3.0METs)と中強度の身体活動(3.0-6.0METs)の身体活動がCOPD+PCグループでは、COPDよりも非常に少なかった。
午前6時から10時までの昼間にCOPD+PC患者はほとんど座って過ごしていた。これは、COPDや健常者グループよりも長かった。
結語
COPD+PC患者は、併存症のないCOPDや健常者よりも低い身体活動レベルであった。
・身体的な併存症の基準は、肥満:BMI≧32、腰痛や下肢の疾患:1カ所以上の関節置換術、可動域制限、末梢血管疾患や神経疾患:脳卒中など。
・除外基準は、過去12カ月に呼吸リハを行っている、英語の読み書きができない。
・評価項目は、身体活動性、肺機能、息切れ(mMRC)、運動耐容能(6MWT)、身体機能(Duke Activity Status Index (DASI))、健康関連QOL(SGRQ)
・患者特性は、COPD+PCが最もBMIが高く、歩行時に補助具を使用している割合が56%と最多。
・COPD+PC:mMRCが4.2、6MD189m、SGRQ5点
・身体活動性とアウトカムの相関係数は、6MWDと歩数(0.71)、COPDのみにおける3METs以上の活動時間と6MWD(0.46)。その他は有意差なし。
・1日3METs以上の活動時間は、COPD+PCで25分、COPDで104分、健常者で114分
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COPDだけであればそれほど活動性は落ちていなかったという結果。
脳卒中なら片麻痺の程度にもよるし、歩行補助具を半分が使用しているという事で、COPDによる活動制限というよりも、併存症の状態による活動制限のような気もする。