Determinants of change in physical activity during moderate-to-severe COPD exacerbation
International Journal of COPD 2016:11 251–261
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26893555
背景
COPDの増悪中の身体活動性に関するデータは乏しい。目的は、増悪中のCOPD患者(eCOPD)の身体活動性の変化を評価すること。
方法
16の救急病院で前向きに、2008年から2010年まで調査。評価項目は社会背景、呼吸困難、FEV1.0%、併存症、健康関連QOL、増悪の要因、安定期と増悪時の身体活動性、
結果
2487人の患者を調査。入院中と自宅退院後7日間の身体活動の変化の要因は、ベースラインでの活動性が低いことと、最初の24時間後に評価を行っていたこと。
年齢、QOL、独居、入院期間、増悪治療に抗コリン薬やステロイドを使用していることは入院した患者の身体活動性の変化と関連していた。入院しなかった患者の変化の予測因子はベースラインのFEV1.0%と救急で来た時の安静時呼吸困難だった。
結語
増悪で救急に来た患者を評価すると、身体活動性のレベルと変化は非常に変わりやすかった。増悪に関連した因子(入院24時間後の身体活動性、薬剤、入院期間)と安定期の状態(身体活動性が低い、QOL、FEV1.0%)が中等度から重度の増悪中の身体活動性の変化の予測因子であった。
・救急から入院した患者に、入院後の初日と退院時にインタビューで身体活動性に関して質問
・身体活動性は歩行に注目した。増悪前の歩行状態に関して質問を6つ(ベッドから椅子まで、屋内のみ、2,300m屋外を歩く、買い物に行く、日常的に歩いている:週3回と規定、スポーツをしている)した。この身体活動性スケールはHADOscoreを基にしており、妥当性がありSGRQと良い相関関係にある
・入院後24時間と退院後1週間後の活動性の質問はベッドサイド、座位、浴室まで、部屋の中、部屋の外へ制限あり、制限なしに部屋の外へ
・アウトカムは、入院後と退院時の身体活動性の変化。退院した患者は、救急から退院した1週間後と自宅退院した24時間後の身体活動性
・平均年齢72.6歳、男性90.3%、HOTやNPPV使用者38.1%、過去の入院は年1回、独居12.6%、誰かと同居83.6%
・ベースラインでの活動性は"買い物""日常的に歩いている"がともに30%程。
・増悪したあと、両方とも活動性は増加。しかし、入院した16%は入院中何も活動せず、17%は病室内の歩行だけであった
・身体活動性の変化の関連因子を多変量解析で算出するとこれまでの活動レベル、年齢、QOL、入院期間、吸入薬だった
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活動性を活動範囲で評価している。
救急に来て、入院した後、24時間で浴室くらいまで(数十m程度?)歩ければその後の活動性は向上していたらしい。
やはり早期離床ということにつながるのかな。