Exercise Training-Based Pulmonary Rehabilitation Program Is Clinically Beneficial for Idiopathic Pulmonary Fibrosis
Respiration 2014;88:378–388
背景
特発性肺線維症(IPF)は慢性で、荒廃している間質性肺疾患で、いくつかの治療法がある。IPFは拘束性の肺で、呼吸困難、低酸素血症、運動耐容能低下、QOL低下が特徴である。
この研究の目的は、IPF患者の運動療法による臨床的アウトカムの効果を検討すること。
方法
32人のIPF患者を対象としたRCT。運動療法グループ(n=15)は12週間参加、週2回、1回60分の運動を中心とした呼吸リハプログラムを実施。対照群は(n=17)通常の薬物療法のみを継続した。心配運動負荷試験、6分間歩行距離(6MWD)、30秒椅子立ちテスト、肺機能検査、呼吸困難、QOLをベースラインと12週間後に評価。
結果
運動療法グループと対照群で著しく差があった変化は⊿6MWD:81m、⊿VO2:2.6ml/kg/min、⊿負荷:22W、⊿有酸素閾値(AT):3.1ml/kg/min、⊿%FVC:6%
。その他の評価も改善していた。
結語
運動療法は運動耐容能、肺機能、呼吸困難、QOLを改善させる。短期間の治療が臨床的に効果的であったため、IPFの標準的治療として考慮すべきである。
・運動は6週間1ブロックの漸増プログラムを実施
・第1ブロックは、インターバルトレーニングを実施。5-8分のウォームアップ(ストレッチや深呼吸)後、メインの運動を30分(有酸素インターバルトレーニング)実施。トレッドミルや自転車エルゴ、段差昇降。
・5分の運動と1分の休憩を5セット繰り返す。運動時間が15分になるように設定している
・自転車エルゴの運動強度は、運動負荷試験の最大負荷の50-60%、6MWDの平均歩行速度の70-80%。自覚症状で、修正ボルグスケールで3-5のレベル(ややきつい程度)
・それぞれのセッションの間に、35mのコースで自分のペースで5-8分歩行
・筋トレは10分、ダンベルなどを使用して上下肢とも実施。1セット12-15分中等度の負荷(修正ボルグ3-5)で実施。セッションの間に1分間の休憩
・第2ブロックは有酸素運動を連続20分実施。エルゴの負荷は、最大負荷の60-70%、トレッドミルは平均歩行速度の80-90%まで増加
・段昇降を3-5分、筋トレやストレッチの負荷も増加。修正ボルグで4-6のレベルを実施。
・対象特性:有意差は無い
・ベースラインからの変化量:運動能力が上がり、息切れが軽減し、QOLも改善した
・運動能力の変化
・6MWDの変化量:IPFのMCIDを25mとしている。
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動作時酸素吸入をしているのが3割程度いるけど、これだけ負荷をかけて運動できればIPFでもかなり改善する。
しかし、この運動量を維持していくのは周りのサポート無しには継続できないように思う。