Physical Activity Counselling during Pulmonary Rehabilitation in Patients with COPD:A Randomised Controlled Trial
PLOSONE December23,2015
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26697853
背景
呼吸リハプログラムはCOPD患者の日常身体活動レベルをわずかであるが向上させる。このRCTでは中等度から最重症のCOPD患者において、日常身体活動レベルが呼吸リハ中の活動に特化したカウンセリングプログラムの付加価値があるかについて検討した。
方法
80人の患者(平均年齢66歳、%FEV1.0 45%)を6カ月の包括的な呼吸リハプログラムに無作為に分けた。この介入群は、8つのセッションからなる活動カウンセリングプログラムを受講した。プライマリーアウトカムは一日の歩行時間と少なくとも中等度の活動強度で過ごした時間。
結果
ベースラインの歩行時間は両群とも似ていた(33分 vs 29分)。しかし、中等度以上の活動時間は介入群が多少高かった(17分 vs 12分)。介入時間の相互作用は日中活動レベルにもたらされた。両方のグループで日中歩行時間と中等度以上の活動時間に著しい変化はなかった。
結語
今回の研究で8つの活動特異的なカウンセリングは、COPD患者の活動レベルの向上への付加価値がなかった。
・呼吸リハは両グループとも6カ月実施。運動を中心に実施。教育プログラムも実施している。運動は上下肢の筋トレ、持久力持久力トレーニングを実施
・運動の頻度は、最初の3ヶ月は週3回、次の3ヶ月は週2回、時間は40-60分から初めて、最終的には60-90分に延長
・運動負荷は中等度から高強度にて実施
・カウンセリングは20-30分実施。最初は行動変容への意欲や自己効力感を評価。カウンセリングセッション中、活動度計で活動レベルをフィードバックし、行動変容のモチベーションになるように使用した
・最初の評価でモチベーションが高かった患者には、アクションプランの介入やゴールセッティングを実施。モチベーションが低い患者には、モチベーションを向上させるようなインタビュー形式を採用。
・結果、ベースラインと比べて、3か月後の歩数と2METs以上の活動時間は有意に改善。その後6カ月ではベースラインに戻っている
・活動時間は、ベースラインで比較的歩いていた患者は歩数は若干多く増えている
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一般的な呼吸リハプログラムにカウンセリングを加えてもあまり効果はなかった。これによると、呼吸リハの効果は半年もすれば無くなっていることになる。
カウンセリングに時間を割くよりも、活動的になる環境づくりを考えたほうが早いのかもしれない。