Physical activity by elderly patients undergoing inpatient rehabilitation is low: an observational study
Aust J Physiother. 2008;54(3):209-13
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18721125
目的
入院でリハビリを行った高齢者と地域の高齢者で、身体活動に違いがあるのかを調べた。
対象
25人の高齢者(81歳)はリハビリを実施し、年齢と性別を一致させた地域高齢者(80歳)を集めた。
アウトカムは姿勢活動記録を使って立位で過ごしている時間と頻度を週末を含む連続3日以上記録。
結果
入院患者は平均活動時間が1.3時間で、地域高齢者は平均5.5時間と大きい差があった。入院患者の立位時間はセラピーが行われる平日に多く(1.6時間)、一般的にセラピーのない週末は1.1時間と少なかった。地域高齢者は、平日(5.9時間)と休日(4.8時間)に大きな差はなかった。平均立位時間は入院患者の方が有意に少なかった。
結語
入院でリハビリを行っている患者は地域の高齢者よりも活動時間が少なかった。
・入院患者の主病名は神経疾患(28%)、筋骨格疾患(36%)、心血管・呼吸器疾患(8%)、その他(28%)
・活動時間は、姿勢活動記録計を装着し、総活動時間÷装着日数で算出
・歩行速度(0.62m/s vs 1.19m/s)や歩幅(0.8m vs 1.2m)が入院患者の方が遅く、短い。
・入院患者はフレーム歩行器を76%が使用しており、地域高齢者は88%が何も持たずに歩行
・入院患者が入院前の活動量を質問紙表で調べると、地域高齢者よりも低い活動量であった。また、活動レベルも低かった。
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疾患が混在しているし歩行器使用者が多いが、要するに普段から活動量が低い高齢者が入院しているということと、入院しても地域高齢者には及ばなかったということだと思う。
この1時間の活動とは、病院で3単位リハをしてそれ以外はベッドで寝ているという生活が想像できる。
考察にあるが、リハプログラムから日中の活動レベルを上げるという患者の主体的な行動に結びついていないことを示唆しているとのこと。んー、確かに…
リハのためのリハを生活の中に浸透させていくか、大きな課題だと思う。
入院中にどのくらい活動していたら再入院しにくいのだろう。