2016/10/31

在宅での呼吸リハの効果

Home-based rehabilitation for COPD using minimal resources: a randomised, controlled equivalence trial

Thorax 2016;0:1–9

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27672116

 

背景

呼吸リハは、COPDケアの重要な部分であるが、病院での伝統的なプログラムの理解について乏しい今回在宅で最小限の資源を利用した呼吸リハビリが病院ベースの呼吸リハビリのアウトカムと同等であるかについて検討した

 

方法

12か月のフォローで検討。安定期COPD患者を無作為に、標準的な外来通院モデルと1回の訪問と週1回の電話を7回実施する新しい在宅モデルに分け8週間介入したプライマリーアウトカムは6MWDの変化量

 

結果

166が参加。外来リハが86、在宅リハが80Intention to treat解析において、リハ終了時の6MWDは悪い結果出ないことが明らかとなり、信頼区間(CI)の優位は除外されなかった。12カ月時点のCIで劣勢は除外されなかった。グループ間での息切れ関連QOLは在宅でのプログラム完了時の優位は除外されず12カ月でも同等であった。

 

結語

在宅モデルの呼吸リハビリで、最小限の資源だけで、短期的にであるが、外来と同等の臨床アウトカムが得られた。どちらのモデルも、12カ月時点で、効果は保持されていた。在宅呼吸リハは、外来通院出来ないCOPD患者に考慮できる。

 

・呼吸リハの内容は有酸素運動、筋トレ、自己管理教育。Living with COPDという冊子を渡した

・外来リハは週28週間実施最低30分の歩行や自転車での有酸素運動。筋トレは階段や起立など。自宅でも週3回は実施するよう推奨した。

・在宅リハは、PTが1回自宅に訪問し、運動目標吸入手技の評価最初の運動アドバイスを実施最低30分の通常歩行で有酸素運動を推奨歩行距離を加速度計で記録筋トレは自宅環境でできるもの(階段起立ペットボトルでの上肢運動)とした。週1回の電話での励ましをPTが電話で計7回実施毎週の運動目標を日誌につけた。

・アウトカムはベースライン、リハ終了時、12カ月後に評価。評価項目は6MWTCRQ自己効力感(PRISE)HADS身体活動量

・平均年齢69歳、%FEV1.0 50%程、BMI28、6MWD 400mmMRC11日の歩数3836歩

6MWDの変化

   :在宅リハ後+29m1年後-4.74m

  :外来リハ後+10m1年後+0.41m

・最初の入院までの期間は外来の方が有意に早かった。

 

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低負荷の運動でも継続すれば短期効果は期待できる。大きくは無いが。

その後中断してしまうと、効果は無くなってしまうのはこれまでも言われている通りの結果。

ただ、継続するのが難しい。