2016/09/12

呼吸不全を呈して非侵襲的機械換気(NIMV)を使用した疾患ごとの運動耐容能を比較

Comparison of exercise capacity in COPD and other etiologies of chronic respiratory failure requiring non-invasive mechanical ventilation at home: retrospective analysis of 1-year follow-up

International Journal of COPD 2015:10 2559–2569

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26648713

 

背景

この研究の目的は異なる病因による慢性高二酸化炭素血症(2型呼吸不全)によって非侵襲的機械換気(NIMV)を自宅にて実施している患者の運動耐容能の比較として1年間の6分間歩行距離(6MWD)の変化を比較すること。

 

方法

後方視的コホート研究で第3呼吸器病院の患者で異なる原因による2型呼吸不全によってNIMVを自宅で行っており、1年のフォローを完了した患者を対象とした。(疾患内訳:COPD肥満低換気症候群(OHS)脊椎後側彎症(KS)急性間質性肺炎(DPLD))

動脈血ガス分析(ABG)肺機能6MWD背景併存疾患BMIを収集期間中の6MWDを比較した。

 

結果

105人の患者が対象平均年齢61歳COPD37人OHS34人KSとDPLDが14人

ABGと肺機能はグループ間で差はなかった単変量解析で、OHSはベースラインの6MWDが低く1年での低下が最も多かった。KSがベースラインで最もよく自宅でのNIMVで最も改善した。

 

結語

6MWDの測定は2型呼吸不全患者で自宅でのNIMVを長期間実施している患者の運動耐容能の改善を示した

 

・対象は増悪エピソードが無く、薬物療法を追加する必要がなく、過去4週間ABGにてアシドーシス所見が見られない患者、つまり安定期の患者を選択

6MWTは退院後1ヶ月と12か月後に同じPTが測定ABGや肺機能も同じ時期に測定

・自宅でのNIMVはICU在室中に反応が良かったものを使用モードはBi-level PAPS/Tモード口鼻マスクを使用IPAPとEPAPはタイトレーションで決定使用状況を外来にて専門ナースが確認

・1後の6MWDはKSが最も伸びておりOHSは短くなっていたPaCO2はKSのみ若干の低下(-2.85mmHg)

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閉塞性換気障害はCOPDだけで、あとは拘束性換気障害だし、肺実質に問題のある疾患とそうでない疾患が混在しているので、解釈が難しいけど、NPPVするだけでも維持できたといっていいのか。。

NPPVの慢性期適応のエビデンスレベル通りな感じも。それに肺胞低換気はBi-levelよりもCPAPの方がいいような。