2016/09/24

特発性肺線維症(IPF)の活動量と動作時低酸素が死亡率に関係している。

Physical Activity and Exertional Desaturation Are Associated with Mortality in Idiopathic Pulmonary Fibrosis

J. Clin. Med. 2016, 5(8), 73

http://www.mdpi.com/2077-0383/5/8/73

 

Abstract

目的

特発性肺線維症(IPF)は低酸素血症、不活動、予後不良の慢性肺疾患である。この研究の目的は、身体活動( physical activity:PA)と労作時低酸素(exertional desaturation:ED)の予測因子としての役割を評価すること。

 

方法

ベースラインで34IPF患者に国際身体活動質問票(IPAQ)で問診し、6分間歩行テスト前後のSpO2の変化(SpO2)を評価した。患者は、前方視的に40カ月フォローした。ROC曲線で死亡率との関連するカットオフを分析し、Coxハザード分析(HR)を実施。

 

結果

IPF患者の死亡率の増加する閾値はIPAQ≦417METS-min/week、⊿SpO210%

この研究はIPF患者において身体活動と労作時低酸素の著しい関係を示した。

 

結語

この結果は、身体活動と労作時低酸素を評価することの重要性を強調し、リスクの階層化、予後予測、呼吸リハや身体活動の相談、酸素療法、肺移植など早期の治療介入の提供が求められる。これらの結果から、100-105min/weekの低い強度の身体活動がIPFの死亡リスクの減少と良い生存率に関係していることを強調している。

 

・身体活動は7日間の活動を自己記入表International Physical Activity Questionnaire (IPAQ)で評価。1対1のインタビュー形式で実施

9項目からなり中等度(4METs)と高強度(8METs)歩行(3.3METs)座位時間の身体活動レベルを評価身体活動スコアはMETsで計算され、1週間の活動において1日あたり何分のように、タスクに必要なエネルギーレベル(METs)の合計で示す

・対象平均年齢68歳、男性22人BMI29%FVC:68%%FEV1:70%、平均6MWD:505m

・40カ月フォローアップで評価した。

・死亡リスクのカットオフ値としては、IPAQで417METs-min/week6MWT前後の⊿SpO2が10%であった

↓活動量

↓低酸素血症

 

 

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間質性肺炎でも身体活動が死亡リスクになりえるという結果。それに加えて、低酸素も同じようにリスクになる。

酸素療法が生命予後を改善させるというのはすでに言われているので、当然ではあると思うが、この研究でSpO2の低下が著明だった患者に酸素療法はしなかったんだろうか。。倫理違反になりそうでもあるが。。。