Gastroesophageal reflux disease in COPD: links and risks
Review
International Journal of COPD 2015:10 1935–1949
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26392769
COPDは長期間に渡り、呼吸器症状の悪化の特徴的な経過を辿る。胃食道逆流性疾患(GERD)は一般的な胃腸障害の一つで、COPDの併存疾患としても出現する。
GERDは症状(典型的と非典型的)と対象の評価によって診断される。診断アプローチの混合したものがベースになり、COPDでGERDを有する範囲は17-78%である。GERDは通常、食道機能の低下に限定的だが、胃内容物の微細な誤嚥が関係しているかもしれない。可能性のあるメカニズムとして胃食道機能障害、食道括約筋低下による圧の低下と食道運動の変化を含むCOPDがGERDを生じているかもしれない。呼吸がGERDの進行に影響しているかもしれず、食道括約筋張力のていかと呼吸の機序の変化、肺過膨張、抗逆流防御の低下などが影響しているかもしれない。特異的な理由とGERDとCOPDの影響の関係については、十分な説明はされていないが、GERDはCOPD急性増悪の著明な予測因子として肺疾患の重症度に影響しているかもしれない。さらに、臨床的には、健康関連QOLの低下と医療費の増加に影響しするかもしれず、これらの因子の更なる説明が求められる。薬剤と手術の両方がCOPDのGERD治療になる可能性があり、この対象者における広範囲の研究が行われていないが、この併存症は治療をしていくべきかもしれない。
GERDの典型的、非典型的な症状
・典型的症状
胸やけ、酸の逆流、嚥下障害
・非典型的症状
耳鼻咽喉:咽頭炎、枯れ声、副鼻腔炎、耳炎、後鼻漏
呼吸:喘息、慢性咳嗽、肺炎、気管支炎
循環:胸部痛、洞性不整脈
・呼吸器の薬剤(β刺激薬、抗コリン、経口ステロイド、テオフィリンなど)はGERDと関連しているかもしれない
・これらの薬剤は、食道括約筋の低下や食道運動の低下による胃食道機能に影響しているかもしれない
・COPDとGERDの関連について、吸入ステロイド、短時間・長時間作用型β2刺激薬のコンビネーション療法(ICS/LABA)の処方が非常に多かった
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嚥下障害はCOPDの併存症の一つとして考えていいのだろう。
COPD+GERDにICS/LABAが多いということは、重症になれば併存することが多くなるということだと思う。
これは、薬剤のみの影響というより、COPDの重症化による呼吸器官の変化の影響もあるだろうと言う話。
しかし、レビューは長い。。。。