Can a supported self-management program for COPD upon hospital discharge reduce readmissions? a randomized controlled trial
International Journal of COPD 2016:11 1161–1169
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27330284
背景
COPD患者は入院を必要とするような増悪を経験している。患者は退院時に支援されているといつも感じられずに再入院する。活動、コーピング、教育からなる自己管理プログラム(SPACE for COPD)はこの問題を解決するかもしれない。
目的
退院時にSPACE for COPDを導入することで、3ヶ月間の再入院を減少させることができるかを検証すること。
方法
前向き単盲検2施設トライアル。増悪している患者を無作為に通常ケアとSPACE for COPDに分類。評価は健康関連QOL、運動耐容能をベースライン(退院時)と3ヶ月後に実施。プライマリーアウトカムは3ヶ月間の呼吸器による再入院。
結果
78人の患者が対象。両グループで再入院数は差がなかった。コントロールグループのうち10人は介入グループの5人と比べて30日早く再入院した。両グループとも運動耐容能とCRQ(CRQ-SR)が著しく改善。両グループでCRQ息切れスコアとCRQ感情スコアに統計的に有意差があった。"家への準備"の調査で介入した患者は、良くないと感じたときの対処を求めたり、処方された薬を持ち歩いたりと、
生活をCOPDに対応できるように変えようと感じていた。
結語
SPACE for COPDは3ヶ月の再入院を減らすことはできなかった。しかし、介入グループのセカンダリーアウトカムはこれらを推奨する結果が得られた。重要なことは、SPACE for COPDは安全で、30日の再入院を予防するかもしれない。
・介入内容
SPACE for COPD→https://www.dovepress.com/the-development-and-pilot-testing-of-the-self-management-programme-of--peer-reviewed-article-COPD
教育的な情報とホームプログラム(有酸素運動として歩行、週3回の筋トレ)が記載されたもの。1対1で30-45分使い方について説明をうける。
退院後2,4,6,8,10週目にスキルの強化、増悪の予防、活動的な生活の推奨、について患者個人に合ったものを72時間以内で電話を受ける。
・プライマリーアウトカムは3ヶ月の呼吸器関連再入院。セカンダリーアウトカムはCRQ、HADS、Bristol COPD Knowledge Questionnaire、ISWT、ESWT、自己効力感、"家への準備"調査
・75人中25人(32.05%)が3ヶ月以内に再入院。うち13人は通常ケア、12人は介入群。
・退院時にCOPD治療について感じていること
"薬が助けてくれると信用している" "家でも良い支援が受けられると安心している"は通常ケアの方が低い結果に。
・入院してCOPDの管理について変わったと思うかについての質問では、"COPDに対応した生活に変える" "処方された薬を服用する" "良くないと感じた時に助けを呼ぶ"に有意差があった。
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自己管理介入は短期間であれば(1ヶ月程度)再入院、増悪の予防に有効かもしれないが、予防行動を継続させるための対策が必要。アクションプランなども退院時は有効であるが、いつも緊張感をもって生活することは不可能だと思う。それこそ抑うつ傾向になりそう。
その継続するためにはやはり外来や訪問など実際に人と話をすることが必要なのかもしれない。