2016/07/15

急性呼吸不全患者に非侵襲的機械換気(NIMV)は効果的か?

Can patients with moderate to severe acute respiratory failure from COPD be treated safely with noninvasive mechanical ventilation on the ward?

International Journal of COPD 2016:11 1151–1160

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4898082/

 

目的:非侵襲的機械換気(NIMV)をCOPDの重症急性呼吸不全患者にICU外での使用は推奨されていない。急性呼吸不全で重度のアシドーシスで救急病棟に入院し呼吸器病棟でフォローしている患者とNIMVの失敗との関連因子を検討すること。

 

方法:後方視的コホート研究2013年から2014年の間に胸部疾患や胸部手術を実施した者急性呼吸不全で救急病棟に入院したCOPD患者も含む。アシドーシスの程度で2グループに分けた;グループ1pH7.20-7.25グループ2pH7.26-7.30.

 

結果:グループ1は59人(平均年齢70歳)グループ2は171人(平均年齢67歳)多変量解析にて救急病棟にてNIMVを使用した後の動脈血ガスにおいて、P/F ratio<200pHの変化<0.30pH<7.31最大CRPがNIMVの失敗するリスク因子であった。


考察:NIMVは軽度呼吸不全だけでなく、重度のCOPD増悪でも効果的であったNIMV失敗を決定づける基準とチームの専門知識が治療成功を左右する

 

 

NIMVの設定

口鼻マスクを全患者使用。EPAPは5cmH2Oから開始して酸素化をみながら1-2cmH2Oずつあげていく。IPAPは20cmH2Oに上げて、一回換気量が6-8mL/kg得られて呼吸数が30回以下になるように2-3cmH2Oずつ上げる。

装着時間は1-4時間断続的に装着。

高二酸化炭素血症でpHが改善しなかったり、呼吸数が変わらなかったり上昇したりしたら失敗と判断。COPD患者では1-2時間後のP/Fratioが変わらないか最小限の増加であったら失敗と判断。

 

NIMV失敗のオッズ比

ERでのNIMV後のABGでpH<7.31・・・2.84倍(p<0.032)

最大CRP・・・1.02倍(p<0.016)

ERでのベースラインP/Fratio<200・・・3.09倍(p<0.012)

 

ICU退院後の長期予後

 

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マスクの選択やNIMVの設定なども影響ありそう。NPPVの研究は条件設定が統一しにくいような感じがする。

換気補助をしてもpHが正常化に近づかないと生存、回復は難しい。