Effects of Nasal High Flow on Ventilation in Volunteers, COPD and Idiopathic Pulmonary Fibrosis Patients
Respiration 2013;85:319–325
背景
空気のハイフローは大きなネーザルカニューラにより供給され、慢性呼吸器不全患者の症状を改善させると言われている。小児科の患者において、ネーザルハイフロー(nHF)換気は、フェイスマスクの非侵襲的換気と比べて同等の効果が得られている。
目的
呼吸のパラメーターが変化するかを検討すること。
方法
呼吸サイクル中と平均圧の圧の幅をIPFとCOPDで測定した。一回換気量と分時換気量を得るために、ポリソムノグラフィを使用した。採血は8時間のnHFの前後で血ガス分析を行った
結果
nHFは、持続呼吸と比較すると、健常者とCOPD、IPFにおいて圧の上昇する幅と平均圧は大きかった。COPDにおいて、nHFは一回換気量を増大させたが、IPFでは、一回換気量は増えなかった。興味深いことに、健常者で一回換気量は減少していた。呼吸数と分時換気量はすべてのグループで減少していた。PaCO2はIPFとCOPD患者で減少していた。
考察
nHFは、閉塞性と拘束性の呼吸器疾患患者の呼吸パラメーターに著しく効果があった。圧の上昇幅と平均圧と呼吸数の減少は、吸気努力によってもたらされるが、nHFは換気努力の増加を助け、呼吸仕事量の減少をもたらすかもしれない。上気道死腔のCO2のウォッシュアウト効果に対して、nHFは有益となるかもしれない。