Characteristics of daily arm activities in patients with COPD
Eur Respir J 2014; 43: 1631–1641
http://erj.ersjournals.com/content/43/6/1631.abstract
上肢の活動は、セルフケアや生活の自立のために必要である。本研究の目的は、COPD患者は、健常群と比較して、どの程度上肢のADLを行っているかと、ADLにおける比較的上の上肢(上腕?)の筋活動の程度を示すことである。
part1;日常の上肢と下肢の活動は、自宅の環境で活動度計を使用して評価した(COPD: n521, healthy: n=24)。
part2;研究的な環境において、ADL活動中の上肢の筋活動の程度を僧帽筋、三角筋、上腕二頭筋の筋電図で評価した (COPD: n517, healthy: n=15)。
歩行時間を補正したのち、上肢ADLの活動時間はCOPD患者と健常群は似ていた(p=0.52)が、活動強度はCOPD患者の方が、低かった(p=0.041)。研究的なセッティングにおいて、上肢ADL活動はCOPD患者において低い強度で行われており、いくつかの上肢ADLにおいて、僧帽筋の活動が健常群と比較して著しく高かった(p<0.05)。
COPD患者は歩行時間を補正して比較すると、健常群と同様に上肢ADLを実施していたが、低い強度で行われていた。さらに、患者が行う上肢ADLではより高い筋活動で行われていた。
a)僧帽筋 b)上腕二頭筋 c)三角筋 の挙上の高さと強度別の筋活動。●がCOPD、○が健常。
僧帽筋は活動強度に限らず、COPDの方が、筋活動が高い。
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上肢のADLは息切れが生じやすいという根拠になりそう。
健常群とほぼ同じ上肢活動をしていても、筋活動が高いので、酸素需要が大きく、息切れとして症状が現れるという流れか。
PTの職業柄なのか、下肢に目が行きがちだが、上肢トレーニングはエビデンスも高いので、もっと目を向けても良いと思う。これも身体活動に含まれるのなら尚更。