Are Oxygen-Conserving Devices Effective for Correcting Exercise Hypoxemia?
Respir Care 2013;58(10):1606–1613.
http://rc.rcjournal.com/content/58/10/1606.short
背景:進行した肺疾患における運動時低酸素の是正は重要で、しばしば試みられている。しかし、酸素保護デバイス(コンサービング)の市場における使用は、効果のエビデンスが限定的である。本研究では、2つのコンサービングデバイス(デマンド酸素供給システム(DOD)、ペンダント型カニューラ(PRC))の効果をCOPDと間質性肺疾患(ILD)で評価した。
方法:横断的交差試験、6分間歩行テストにて低酸素血症(SpO2<88%)が認められたCOPD患者28名とILD患者31名。それぞれの患者は、DOD、PRC、標準的経鼻カニューラで連続酸素供給(CFNC)で無作為に3回歩行テストを実施し、SpO2が90%以上を回復する基準として平均をとった。
結果:COPD患者における運動時低酸素はCFNCで79%、DODで79%、PRCで86%にILD患者ではCFNC77%、DOD61%、PRC81%で認められた。CFNCと比較したときに、コンサービングは同様の効果を示し、ILD患者でDODを使用した場合、低いパフォーマンスであった(P=0.01)。
考察:これらのコンサービングデバイスはほとんどのCOPDとILD患者で運動時低酸素が是正されたが、ILD患者でDODを使用した20%では是正されなかった。これらの結果は、酸素のフローを個別に調整することが、運動時の低酸素血症の是正(特にILD患者でDODを使用している患者)には必要であることを協調している。
<補足>
6分間歩行テスト中に、DODシステムで最大流量を使用しても重症COPDとSpO290%以上を保てない患者は、20%いた。DODシステムで、ILD患者の40%で運動時低酸素が生じていた。運動中の酸素流量のタイトレーションは患者ごとに行うべきであり、使用する際に考慮すべきである。
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このDODってのは日本でいう同調式のデバイスのことだろうか。間質性肺炎患者で同調式を使用しても、呼吸数が多いので、うまく吸入できない患者が多かったように思う。
ここ数年、デバイスも変化してきて、患者の特性に合ったものを選ぶ選択肢が増えているが、導入する側が評価する習慣が必要。特に急性期病院で導入された場合は十分な指導がされていないまま退院してきた患者もいたので、必要であることが認知してもらえたら。重症例での導入は特に。