高齢者の誤嚥性肺炎のリスクファクター
PLoS One. 2015; 10(10): e0140060
背景
誤嚥性肺炎は市中肺炎や院内肺炎の多くを占めており、高齢者の死亡原因を導いている。しかしながら、高齢者の誤嚥性肺炎の発生に関するリスクファクターは十分に検討されていない。本研究の目的は、高齢者の誤嚥性肺炎のリスクファクターを決定することである。
方法と主な結果
日本の高齢者医療・介護センターの全国的な調査データを使用して検討した。本研究の対象は9930人の患者が含まれ、(年齢中央値86歳、女性76%)2グループに分けられた。:過去3か月間で誤嚥性肺炎の既往がある患者と無い患者。人口統計的、臨床状態、ADL、主な疾患のデータは誤嚥性肺炎の有無による2グループで比較した。259人(全体の2.6%)が誤嚥性肺炎のグループ。
単変量解析では、高齢は誤嚥性肺炎のリスクファクターではなかった。喀痰吸引、日常的な酸素療法、摂食サポートに依存、尿道カテーテルがリスクファクターであった。
多重ロジスティック回帰分析では、誤嚥性肺炎と関連していたものは、喀痰吸引、過去3か月の嚥下機能の悪化、脱水、認知症であった。
考察
誤嚥性肺炎のリスクファクターは喀痰吸引と嚥下機能の悪化、脱水、認知症であった。これらの結果は、繰り返す誤嚥性肺炎の臨床的管理の向上に役立つかもしれない。
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n数が誤嚥性肺炎群が259人、肺炎無し群が9671人と差が大きすぎて、統計的に大丈夫なのかとも思うけど、結果には納得。
誤嚥予防のためには、吸引しなくても痰が出せるようにして、絶食にはせず、水分を取って、認知症予防。
患者背景にはちょっと疑問だが…