2016/04/09

誤嚥性肺炎のリスクファクターは?

高齢者の誤嚥性肺炎のリスクファクター
PLoS One. 2015; 10(10): e0140060

背景
誤嚥性肺炎は市中肺炎や院内肺炎の多くを占めており、高齢者の死亡原因を導いている。しかしながら、高齢者の誤嚥性肺炎の発生に関するリスクファクターは十分に検討されていない。本研究の目的は、高齢者の誤嚥性肺炎のリスクファクターを決定することである。

方法と主な結果
日本の高齢者医療・介護センターの全国的な調査データを使用して検討した。本研究の対象は9930人の患者が含まれ(年齢中央値86歳女性76%)2グループに分けられた:過去3か月間で誤嚥性肺炎の既往がある患者と無い患者人口統計的臨床状態ADL、主な疾患のデータは誤嚥性肺炎の有無による2グループで比較した。259人(全体の2.6%)が誤嚥性肺炎のグループ
単変量解析で、高齢は誤嚥性肺炎のリスクファクターではなかった喀痰吸引日常的な酸素療法摂食サポートに依存、尿道カテーテルがリスクファクターであった。
多重ロジスティック回帰分析では、誤嚥性肺炎と関連していたものは、喀痰吸引、過去3か月の嚥下機能の悪化、脱水、認知症であった

考察
誤嚥性肺炎のリスクファクターは喀痰吸引と嚥下機能の悪化、脱水、認知症であった。これらの結果は、繰り返す誤嚥性肺炎の臨床的管理の向上に役立つかもしれない。

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n数が誤嚥性肺炎群が259人肺炎無し群が9671人と差が大きすぎて、統計的に大丈夫なのかとも思うけど、結果には納得
誤嚥予防のためには、吸引しなくても痰が出せるようにして、絶食にはせず、水分を取って、認知症予防。
患者背景にはちょっと疑問だが…