2016/03/12

COPD合併心不全患者の運動の効果

Clinical Characteristics, Response to Exercise Training and Outcomes in Heart Failure Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease: Findings from HF-ACTION

Am Heart J . 2013 February ; 165(2): 193–199.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3762597/

背景:COPD合併の心不全(HF)患者における運動療法の効果選択的βブロッカーとアウトカムについて臨床的特性を検討すること。

方法:HF-ACTIONの分析を用いて2331人のEF≦35%のHF患者を通常ケアに加えて有酸素運動療法の有無で無作為化した臨床的特性とアウトカム(死亡率/入院死亡率心血管系死亡率/心血管系入院心血管系死亡率/HF入院)を検討し専門家の報告したCOPDの状態をCoxモデルで調整し、運動介入の検討を行った。心血管選択的βブロッカーとアウトカムの相互関係についても検討した。

結果:COPDがある患者は11%(249人)であった。COPD患者は高齢で、多くの併存症を持ちCOPDが無い患者に比べてβブロッカーはあまり使用していなかったベースラインで、COPD患者はpeak VO2と、VE/VCO2 slopeは低かった2.5年のフォロー期間中COPDは死亡率/入院と死亡率心血管系死亡率/HF入院は高かった多変量調整した後、心血管系死亡率/HF入院のリスクは依然として高く、死亡率/入院と死亡率は上昇していなかったCOPDと選択的βブロッカー使用では死亡率/入院において、COPDと運動療法でアウトカムに対して相互作用は無かった

考察:HF合併COPD患者は高齢で、併存症が多く、運動耐容能が低下し心血管系死亡率/HF入院の増加と関係していたが、運動療法の反応は異なっていた選択的βブロッカーはCOPDの有無の患者においてアウトカムとは関係していなかった。


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βブロッカー使用はアウトカムに影響を及ぼさないので、通常通りの運動療法を行って問題ないということか。心不全もCOPDも運動療法は必要ですし。意外とCOPD合併心不全は少なかった。逆の視点ではどうだろうか。