Association of chronic nasal symptoms with dyspnoea and quality-of-life impairment in chronic obstructive pulmonary disease
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2013; 8: 89–96.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3575129/
背景と対象
現在の研究では、慢性鼻腔症状(CNS)はCOPDでよく見られるが、息切れとQOLの障害への影響に関しては明らかになっていない。
方法
フランスのCOPDコホート‘Initiatives bronchopneumopathie chronique obstructive’ においてCOPD患者のCNSの頻度を分析し、影響とリスクファクターの関係を分析した。単変量・多変量解析でCNSと社会背景、リスクファクター、呼吸器症状、肺機能、QOL(SGRQ)、息切れ(mMRC)、精神障害(HADS)、増悪の数、併存症の状態の関係について検討した。
結果
CNSは274人のCOPD患者中115人(42%)に認められた。彼らは、鼻汁が62%、鼻閉が43%に認められた。多変量解析において、CNSのあるCOPD患者はSGRQのスコアが高く、QOLの低下と相関していた。増悪、肺機能、HADSは独立して関連していなかった。SGRQドメインの中ではactivityスコアが独立して関連していた。
SGRQスコアは余剰分を除いたとき、mMRCがCNSと独立して関係していた。リスクファクターとしては、累計喫煙本数、花粉症、アトピー性皮膚炎が職業的な曝露を除くとCNSと関連していた。
考察
このCOPD患者においては、CNSはよく出現しており、息切れやQOLの低下と関連していた。CNSは体系的に評価されるべきであり、COPDの管理において目標(ターゲット)となりえる。