2024/12/19

大腸がん術前身体活動と術後回復の関係について

Is preoperative physical activity related to post-surgery recovery?—a cohort study of colorectal cancer patients

International Journal of Colorectal Disease 2016


【背景】
術後経過を向上させるために、術前身体活動(PA)の役割についての関心は高まっている。
大腸がん後の改善における術前PAの短期的な影響については明らかになっていない。
この研究の目的は、大腸がんによる手術後の回復と術前PAレベルの関連について検討すること。

【方法】
予定手術を行なった大腸がん患者患者115例を対象とした前向き観察研究。
患者報告型の術前PAレベルと各評価の回復について比較した。

【結果】
通常の術前PAは手術3週後に身体的により良く回復したと感じる確率が高いことと関連していた。(相対確率 3.3 p=0.038)不活動と比較した場合。
入院日数、精神的な回復、再入院や再手術とは統計的な関連を認めなかった。

【考察】
臨床的には、患者のPAレベルを評価することは、大腸がんの手術を行なった後の経過を予測するツールとして有用かもしれない。
今回の研究デザインでは、因果関係までは明らかにできていない。
従前PAレベルが高いことは、術後に身体的な回復をより早く実感できることと関連していた。
PAは入院日数やその他の副次アウトカムとの関連は認めなかった。
術前PAを評価することは、予測のために必要かもしれない。
もし、計画的な術前後の身体トレーニングが回復を促進するのであれば、ランダム化比較試験を行うことが必要である。